苫小牧市末広町の市立中央図書館前のエゾヤマザクラを守り続けるため、苫小牧造園協同組合(土屋英樹理事長)はこれまでの保存活動の軌跡を冊子にまとめた。樹齢100年近くと推定され老木化が進むサクラは、2003年から観察を始めた市内の樹木医金田正弘さん(77)と共に、同組合が手入れを続けてきた。一連の活動を記録することで市とも情報共有を図り、春に咲き誇る桜をいつまでも残すための対策を進めたい考えだ。
同図書館前のサクラは、チシマザクラやヤエザクラ、カスミザクラなど多彩なサクラが咲く出光カルチャーパークの中でも、ひときわ目を引く古木だ。毎年「開花日予想クイズ」が行われ、今年は昨年より1日遅い4月28日に開花。今月上旬の見頃には大勢の人が花見や記念撮影を楽しんだ。
冊子は金田さんが全面的に協力し、今年3月までの樹勢回復処置や保存活動の記録を網羅した。当初は手入れがされておらず、幹や枝の一部に病害や腐朽が現れているのが分かる。
金田さんと同組合は03年度、研修会を兼ねて治療や枯れ枝の剪定(せんてい)に着手。その後、大枝の裂け目に炭を混ぜたピートモスを詰めたり、枝や幹の傷口や切り口を整形して保護剤を塗ったりする処置を継続した。伸びた枝は支柱で保護し、根元に落ち葉を敷くなどの養生も行い、花つきは顕著に回復。苫小牧を代表するサクラの古木となった。
ただ、エゾヤマザクラの寿命は本来約60~100年とされ、近年再び衰退の兆候も見られる。サクラの周囲が舗装され、石で仕切られた生育空間が外側に向かって伸びる根の成長を阻んでいることも指摘し、今後の市の対策にも期待する。
冊子はA4判、60ページ。市緑地公園課や同図書館に寄贈した他、同組合が指定管理者を担うサンガーデン事務所で閲覧もできる。土屋理事長は「担当者が変わっても継続的な対応ができるよう市と共通認識を持ちたかった」と話し、「苫小牧のシンボル的なサクラを守るため、造園のプロとして協力していきたい」と力を込めた。



















