駒大苫、苫工を延長サヨナラで下し優勝 高校野球春季道大会室蘭支部予選

決勝〔苫工―駒大苫〕延長10回タイブレーク、駒大苫2死1、2塁で代打の相馬が右越えに放ち、二塁へ到達=15日、とましんスタジアム

 第63回春季北海道高校野球大会室蘭支部予選最終日は15日、とましんスタジアム=苫小牧=で決勝が行われ、駒大苫小牧が延長十回タイブレークの4―3で苫小牧工業を下して優勝し、11大会連続20度目の全道大会出場権を獲得した。
 試合は開始から投手戦の様相。駒大苫小牧が序盤に2点先行したが、中盤から追い上げた苫小牧工業が八回に同点とした。無死一、二塁から始まるタイブレークの十回裏に駒大苫小牧は1点を追い、犠打、申告敬遠を挟んだ1死満塁で大原が右犠飛で同点にした。続く代打の相馬が右越えにサヨナラの二塁打を放った。
 全道大会は22日から札幌円山球場で行われる。
 ▽決勝
苫小牧工業
0000100101 ―3
0020000002x―4
駒大苫小牧
(延長十回タイブレーク)
(苫)大島、岡田―渡邊
(駒)大原―小池
🉂桑村(苫)相馬(駒)

 接戦を制した駒大苫が全道の切符をつかんだ。駒大苫は1点を追うタイブレークの延長十回裏に2死一、二塁で代打相馬が右翼手頭上を越える二塁打を放ちサヨナラ勝ち。先発大原は10回132球で粘り強く完投し、勝利を呼び込んだ。同回表、苫工は1死満塁で池野が中前打して1点勝ち越したが、加点はそこまでだった。

―駒大苫、投打の2人が勝利呼び込む
 決勝で大接戦を制した駒大苫の佐々木監督は「室蘭支部の代表として一戦必勝で頑張っていきたい」と力を込めた。春の全道大会では3年連続で初戦敗退を喫しているだけに、雪辱への強い意気込みがにじんだ。
 ここ数日、全体的に打線の調子が落ちていることは感じていた。苫工は前日にサヨナラ勝ちで勢いがある。接戦になる予感も図星となった。大一番で完投した大原を評価し、「投げ切っていい収穫になった」。土壇場の代打で殊勲打を放った相馬の練習量は認めていて「送り出すしかないと思い、迷わず相馬だった」と振り返った。投打で土壇場の勝利を呼び込んだ2人をたたえた。
 大原本人は序盤に納得の投球ができた一方、中盤以降「球が甘くなって失点した」と反省も忘れなかった。「自分一人で投げ切らないと相手に勝てない」。背番号10ながら「エースの気持ちで投げた」と言う。向上を求めて「追い込んでから厳しい所に投げ込む強さがない。全道では完璧な投球をしたい」と闘志を燃やす。
 打席では今大会全試合通じて4番。7打点を記録し「チャンスに応えるという気持ちで打席に入っている」と役割を全うした。
 伏兵も活躍した。公式戦初打席でサヨナラ打の大仕事をやってのけた相馬は前の冬、試合出場の機会を得るために投手から外野手に転向。早朝や練習後の夜に仲間と自主練に励んで努力が結実した。
 代打を告げられて「打つしかないと思った」。初球ストライクの後、ファール2本と追い込まれてから4球目に食らい付き、右越えに二塁打した。
 千葉県出身。今春の選抜高校野球で中央学院(千葉)を4強に導いた相馬幸樹監督が父。もし、夏の甲子園で対戦したら「絶対に勝ちたい」と相馬。まずは目の前の全道制覇を目指す。

―苫工、5大会ぶり全道届かず
 苫工は1点差で敗れ、5大会ぶりの全道大会進出を逃した。平山監督は2試合連続の延長タイブレーク戦に「緊張感のある中、慣れさせてもらったことは確か」と手応えを挙げた。打線は駒大苫完投の大原に飛球を連発した傾向を指摘。反発が弱い新バット導入後初のシーズンに「弾道が低くても強い打球を打てるよう練習させたい」と言う。粘りに粘った試合運びを評価し、「選手はよくやってくれた」と割り切っていた。五回からリリーフで大接戦をつくった岡田は「最後は打たれたけれど、自分なりの投球はできた」と話した。夏の予選までに直球、変化球を磨く覚悟で「四球を確実に無くすコントロールをつけたい。下半身を強化する」と誓いを立てていた。

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