第63回春季北海道高校野球大会室蘭支部予選が15日、とましんスタジアム=苫小牧=で閉幕した。決勝では駒大苫小枚が4―3で苫小牧工業を下し、11大会連続で全道大会出場権を獲得。上位戦線では接戦が続出した。主な圏域チームの戦いぶりを振り返る。
決勝の激闘を制した駒大苫小牧は投手陣の層が随一。辻、大原、大槌の3人が軸で、今大会では寺田、太田も好投。打線では2番茶木が安打、盗塁を重ねて攻撃時に活気をもたらし、主砲も兼ねた大原が好打を放った。決勝は代打相馬の決勝サヨナラ二塁打も印象深かった。
苫小牧工業はノーシードから決勝進出と躍進し、先行の駒大苫小牧に追い付き、延長に持ち込む粘りを見せた。3年生右腕岡田と2年生左腕大島が活躍。打線では4番桑村が集中力を要する場面で適時打を放つ勝負強さ。鵡川を下した準決勝では佐藤のスクイズも光った。
準決勝に進んだ苫小牧東は駒大苫小牧と見応えある真っ向勝負を展開した。原と堀、石川の三本柱が中心で継投がチーム躍進の鍵を握り、下手投げの前川も控える。夏の予選までにパンチ力を持った中軸に加え、打線がどれだけ技量を高められるか。
鵡川は強力な打線と安定した投手陣を持つ。2回戦の静内戦では初回に敵失や長短打5本で6点を先制。先発今富も七回被安打1無失点の好投。3回戦の苫小牧南戦で主砲大森が柵越え本塁打を放つなど重厚な攻めを展開。投げても公式戦初登板の住友が七回参考記録ながら完全試合を達成する快投を見せた。
3回戦で苫小牧工業に苦杯を喫した苫小牧中央は背番号1の藤原を中心とした安定感ある投手陣と強打が持ち味のチームで雪辱へ闘志を高めてきそうだ。3番渡邊は2回戦の3校連合戦で本塁打を含む安打を連発して、活躍した。
北海道栄は2回戦で室蘭栄に惜敗。主将小林や背番号1の下山など昨夏の全道準優勝メンバーが6人残る。下山は昨年から4番を務める強打者。今春は初戦で屈したが、夏に向けてさらなる成長が期待される。
室蘭勢の中では室蘭栄が進撃した。3試合を一人で投げ抜いた今谷がチームの柱。120キロ台の直球と90~100キロ台の変化球で緩急を付けた投球が特徴。3回戦で苫小牧東に1―2と惜敗も、2回戦では北海道栄を破る台風の目となった。
苫小牧南は打線のつなぎと足を絡めた攻撃を意識していた。1、2回戦で計17安打9盗塁を記録。今大会は岩佐、上原両右腕のみの登板だったが、昨秋の支部予選では土畑も登板しており、投打の総合力を高めて夏の戦いに踏みだしたい。
その苫小牧南に先行の展開から逆転で屈した苫小牧高専は悔しさをばねに強化できるか。先発した佐藤翔がチームの柱で打っても3安打。攻撃は粘り強くつなぎ、丹念に守るチームへ進化を図りたい。
苫小牧西、富川、室蘭工業による3校連合で苫小牧西の正部員は3人のみ。部外の生徒の力も借りていた。助っ人出場した1番鈴木(苫小牧西)は安打を放ち、三回からは継投もして苫小牧中央打線をいったんは抑えた。














