イオン北海道(札幌市)は23日、道央圏から道東への商品配送で、貨物トラック輸送を海上輸送に切り替える「モーダルシフト」の実証実験を初めて行った。苫小牧港を発着する栗林商船(東京)の定期RORO船(フェリー型貨物船)を使い、13メートルシャシー1台分・約2トンの商品を同港から釧路港へと送った。
トラック運転手の時間外労働が規制され、輸送力不足が懸念される「2024年問題」への対応策。栗林商船、釧路市と連携して実施した。道央圏配送センター(北広島市)から、イオンの釧路店(釧路管内釧路町)、釧路昭和店(釧路市)に配送する商品の一部を、通常の陸送から海上輸送に置き換えた。
実証実験では通常輸送の1~2割程度の衣料品をシャシーに積み込んだ。23日午後に道央圏配送センターから輸送を始め、同午後5時ごろに貨物トラックが苫小牧港・西港西埠頭(ふとう)に到着。栗林商船のRORO船「神珠丸」に載せて出港し、24日午前6時45分ごろ釧路港に着き、積み荷はイオン2店に運ばれた。24日夜も同様の行程で実証実験を行う。
イオン北海道もトラックの運転手不足が課題。同センターから道東の店舗まで、トラック輸送で往復550キロほどかかるが、海上輸送にシフトすることで、陸送距離は4分の1に短縮できるという。同社の輸送を請け負う北海道センコー(札幌市)によると、現在は2日間かけて往復し、運転手の拘束時間は1日当たり10時間ほどだが、海上輸送で同4~5時間程度に減らせるという。
トラックの走行時間が減ることで、脱炭素化にもつながるという。イオン北海道の試算では、道東への荷物一部のトラック輸送を、栗林商船が週4回運航する苫小牧―釧路の海上輸送に振り替えた場合、二酸化炭素(CO2)排出量は月約21トン、走行距離も月約2万9000キロ、削減できる想定。また、降雪期や災害時には、トラックや鉄道の代替輸送手段としても期待している。
今回の実証実験の結果次第だが、9月ごろに規模を拡大して長期テストし、2025年度からの本格実施を目指す。同社は「イオングループ全体で『2024年問題』は課題」と社会課題に率先して取り組む姿勢を強調し、「今後の物流の安定を図るためにも実証実験を行う」と話している。
栗林商船営業本部の栗林良行副本部長も「定期運航しているRORO船の利用で、課題が解決できるのであれば(当社にとっても)良い話」と話す。同社にもモーダルシフトについて、各企業からの問い合わせが徐々に寄せられているといい、「海上輸送のメリットとデメリットを伝えている。うまくマッチした場合に切り替えてもらえれば」と期待している。
















