社会人サッカーで苫小牧地区所属のASC北海道が道リーグで2年ぶりの戦いを開始した。19日に帯広であった初戦は前回2位の北海道十勝スカイアースと対戦し1―4で敗れる黒星スタートとなったが、永澤宏基監督(37)は「2年前の対戦より内容が向上した。初挑戦時よりも手応えがあった」と語る。次節の6月2日は浜厚真野原サッカー場に前回優勝のBTOP北海道を迎え、真っ向チャレンジする。午前10時試合開始。
道リーグの下部に当たる昨年の道南ブロックリーグ(9月まで)では5チームと2回戦総当たりを行って8勝1分1敗の勝点25で断トツの優勝。続くブロックリーグ決勝大会(10月)では別地域3チームとのリーグ戦で3戦全勝して道リーグ復帰が決まった。永澤監督は道リーグでの再挑戦に当たって「上を目指す意味では重要なシーズンという共通認識をメンバーで持ちたい。現状維持ではいけない」と意気込んでいる。
会社員や教員のメンバーが週2回の夜間、苫小牧で練習する。基礎からゲーム形式まで、少ない時間を無駄なく使い、集中する様子が伝わってくる。選手兼コーチのMF澤田拓弥(32)は自チームの強みを「つなぎのサッカー」と踏まえていて、レベルの高い道リーグで「フィニッシュはアイデア豊富にいきたいところ。自分を含めてベテランが引っ張っていきたい」と抱負を語る。
主将でDFの関玲於那(26)は「1度目の経験で道リーグでやるべきことは分かった。前回メンバーと入れ代わりもほぼないので、積み上げたことを出し切りたい」と力強い。
厚真町サッカー協会を母体にしてASCは2004年4月に発足。11年には苫小牧に本拠を移し、創立20年に当たる今年の4月には組織強化のための株式会社を設立している。「趣意書」も公表し、未来の「Jリーグクラブ入り」を改めて目標に掲げ、リーグで奮戦する社会人チームを筆頭とする傘下の各年代チームや他競技を巻き込んだスポーツ組織づくりへかじを切った。
趣意書によると、大目標に向けて、(1)「する」(2)「見る」(3)「支える」―スポーツの各人口拡大で地域活性化を目指す構えだ。
クラブ創設に携わり、各年代の指導にも当たってきた徳田恒徳GM(51)は「いつかは『Jリーグ』というゴールを目指して活動していければ」と話す。創立から20年で15歳以下の小中学年代のASC組織から育った地元選手が現在は道リーグで奮戦するシニアのASCチームを目指して帰ってくるケースも多くなった。「しっかりした母体や地盤づくりを進めていきたい」との考えだ。
ASCが「歴史第2章」の壮大な目標へ向けてキックオフするシーズンが始まっている。

















