2023年度の児童虐待対応156件 心理的が最多 苫小牧

2023年度の児童虐待対応156件 心理的が最多 苫小牧

 苫小牧市が2023年度に対応した児童虐待の件数は、前年度比34件減の156件だった。半数が心理的虐待で、中学生や高校生以上の子どもが被害に遭うケースも目立った。市は今年度も児童相談所をはじめ、日常的に子どもと接する関係機関との連携強化で暴力被害の深刻化を防ぐ。大人に代わって家事や家族の世話をする18歳未満の子ども・ヤングケアラーへの支援にも力を注ぐ考えだ。

 市は通報を受けた児童虐待事案のうち、対応方針が決定した事案を件数として集計している(件数は対象児童の人数と同数)。

 23年度、虐待対応に当たる市こども相談課は159件の虐待通報を受け付け、全事案の安否を確認。22年度からの引継ぎ分を含め、156件に対応した。

 虐待の内訳は暴言や無視、脅し、目の前で他の家族に暴力を振るうなどの心理的虐待が78件で最多。殴る、蹴るなどの身体的虐待は48件、適切な食事や衣服を与えないなどの養育怠慢・放棄(ネグレクト)は30件。性的虐待はなかった。

 虐待を受けた子どもを年齢別に見ると未就学児64人、小学生59人、中学生23人、高校生・その他が10人と依然として低年齢の子どもが目立つが中学生、高校生以上の子どもの割合が前年度の14%から21%まで増えた。

 通報者の内訳は学校40件、児童相談所30件、庁内の他の部署23件など。虐待加害者の約6割が実母、約2割が実父だった。一時保護につながったのは44件(前年度比16件増)で、身体的虐待によるものが最も多かった。

 同課は「生活困窮で子どもに十分な食事を与えられない家庭や、水道、電気などのライフラインが止まっている家庭などについて、関係機関から情報が寄せられるケースも多かった」と説明。今年度も庁内で生活保護事業を担当する生活支援室や市内の医療機関、小中学校、室蘭児童相談所苫小牧分室などとの連携会議を年間で各4回程度設け、心配な家庭についての情報共有を図り、事態の深刻化を防ぎたい考えだ。

 虐待被害を受ける子どもを含め、社会的な支援を必要とする「要保護児童」支援の観点から、ヤングケアラーへの支援にも力を入れる。市民向けのシンポジウム開催や関係機関の研修を計画しており、同課の担当者は「すべての子どもの権利や利益を守られるよう、取り組みを進めたい」と力を込めた。

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