ライスワークでなくライフワーク(1) 青谷(あおや) 尚人(なおと)

ライスワークでなくライフワーク(1)
青谷(あおや) 尚人(なおと)
青谷尚人さん

 ご縁があり、2020年に苫小牧市港町の海の駅ぷらっとみなと市場事務局長を命じられ、現在に至ります。当時はコロナ禍の真っ最中で、来客は連日わずかばかり。冗談抜きで、市場内にてボウリングができるような状況でした。

 私は小樽市に長く住んでおり、「三角市場」のにぎわいをよく知っているので、当時は「いったいどうなってしまうのか? もって5年だろう」と本気で思っていました。私は着任当時58歳ということもあり、生涯で最後の職場になると感じていたので、このまま廃れていく市場とともに埋もれるのも一興と考えていました。

 しかし、市場を構成する組合員さんの中には、まだ若く建設的な考えを持った方がいます。当市場の未来を担う彼らのために、何かできないかと考えた際、市場全体の長所と短所に気付きました。長所は「まだ知られていないような目を引く商品やサービスがある」、短所は02年まで生産者と販売店を結ぶ卸売市場であったことから「広告宣伝が弱いこと」。そこで、私が感じる当市場の強みを、SNSのフェイスブックを活用し、毎日発信することを決めました。「継続する」ということはたやすいようで、なかなかできないもの。「続けること」こそが同業他社との差別化になると考えました。

 しかし、デジタルネーティブではない私は毎日の投稿に悪戦苦闘。写真撮影や文章作成、ネタ探しが思うようにいきませんでした。当時、年間来客数が20万人ほどのことでした。(続く)

(海の駅ぷらっとみなと市場事務局長・苫小牧)

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