苫小牧市真砂町の出光興産北海道製油所(山岸孝司所長)が、モノレールで設備を自動点検する実証試験を始めた。DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用し、点検業務の自動化や効率化を図る一環。産業機械設計・製造の松本鐵工所(市晴海町、松本英久社長)、苫小牧工業高等専門学校と共同で研究を進めてきた。13日に同製油所で起動式を行い、山岸所長は「これからの社会になくてはならない先進技術になる」と実用化に意欲を見せた。
モノレールは、カメラや小型パソコンを搭載した全長1・3メートル、高さ0・7メートルの電動走行車。DX活用を進める出光がコンセプトを示し、松本鐵工所が設計と製作を担い、苫高専が自動運行やデータ記録などを開発した。事業費は非公表。地元苫小牧の技術を結集させた事業で、2022年6月から準備を進めてきた。
実証試験は地面から約2・5メートルの高さに、全長12メートルの直線レールを設け、モノレールが自動で走って設備を撮影する。速度は人が歩く速さとほぼ同じ時速1・5キロで揺れも少なく、進行距離や停止位置を自ら把握して運行。毎日午前9時と午後9時の2回、4機器の電流計と圧力計の計8カ所を撮り、所員はクラウドサーバーを通して、画像データをどこでも確認できるという。
製油所の設備点検は現在、5000カ所以上を1日2回、従業員約10人体制で実施している。プラントを停止する大規模定期補修工事(SDM)を除けば無休で、悪天候の日も現地を回って目視で行う。山岸所長は「(点検1回当たり)職員が2~3時間巡回し、点検している」と明かし、「人手に頼らず機械で監視活動できれば石油産業にとって大革命」と期待する。
同製油所と苫高専は20年度から、設備の外面腐食防止などをテーマに、共同研究を展開してきた。その中で点検業務の自動化についても話が出て、モノレール点検構想にたどり着いたという。松本鐵工所内でレールを製造し、今年2月から製油所内で設置作業を進め、松本社長も「オール苫小牧で良いものができた」と強調する。
実証試験は約1年を予定しており、運転や設備などの課題を洗い出すとともに、効率化などに資するか検証する。さらにDX活用の自動点検に向けて、ドローンやロボットの活用も検討しており、山岸所長は「製油所の安全を守るには点検が大事。DX時代を迎え人手によらない点検をやりたかった。プラントをくまなく点検できるようになれば」と夢を膨らませた。
















