スキージャンプの聖地、札幌大倉山ジャンプ競技場のラージヒルの急傾斜を駆け上がってタイムを競う「Red Bull(レッド・ブル)400」。その過酷なレースに苫小牧市内のアームレスリングチーム「パンプアップ塾苫小牧」から塾長の星山一範さん(53)と加藤浩次さん(52)が参戦し、健闘した。50歳を超えてなお衰えないチャレンジ精神で「苫小牧でも広げていきたい」と大志を抱く。
レッドブル400は、スキーのジャンプ台(最大斜度37度、距離400メートル)の坂道を逆走するレース。トップアスリートでさえも両手と両膝をつきながら登らなければならないほどハードで、頂上まで一気に駆け上がる持久力と精神力が試される。1人で400メートルを走り切る個人種目と4人1組で行うリレーがあり、5月18日に行われた今年は、10~70代の学生やプロスポーツ選手らを含む総勢約1600人がエントリーした。
2人は男子個人のフルディスタンス400メートルに挑戦。720人中40人ほどが15分の制限時間内でゴールできずリタイアした中、初参戦の加藤さんは6分51秒33で全体の246位、3度目の出場となる星山さんは7分43秒17で自己ベストを更新し、365位だった。
ゴールした直後、共に第一声は「きつい」。ただ、「ゴールした瞬間の達成感は半端ない」と2人とも口をそろえるように、頂上からの絶景は何にも代えがたかった。加藤さんは「普段からランニングをしているが、今までの限界は超えていたと思う。会場の演出、あの雰囲気は最高だったな」と感慨深げ。3年連続の挑戦となる星山さんは「最後の100メートルで3分もかかってしまった」と振り返り、「つらさより達成感が勝ってしまうから、3回も出ている」と照れくさそうに笑った。
2人は来年以降も出場に意欲を見せており、「苫小牧や胆振管内でも出場していた人たちが他にもいるはず。仲間を増やしていきたい」と新たな構想も練る。星山さんは「自分たちが大倉山に出ていったことがきっかけとなって、広がってくれたら」と期待し、「今度はリレーにも挑戦したい」と好奇心は尽きない。

















