苫小牧市などで展開する二酸化炭素(CO2)を回収、貯留、有効利用する「CCUS」拠点化実証事業で、CCUSとしては世界初の液化CO2長距離輸送を担う実証試験船「えくすくぅる」の本道初公開が22日、苫小牧港・西港区で行われた。斎藤健経済産業相が視察で来苫し、「苫小牧の知見は非常に重要になる」と強調した。
CCUS拠点化実証は国の事業で、世界初の液化CO2の長距離海上輸送を予定している。事業は2021~26年度で、総事業費は160億円。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に委託し、さらに苫小牧でCO2を分離、回収、貯留する「CCS」を行ってきた日本CCS調査(東京、JCCS)を中核にした4社が共同受託。22年5月から苫小牧市真砂町の北電苫小牧発電所内で、液化CO2船舶長距離輸送の受け入れ設備を整備してきた。
NEDOによると、実証船「えくすくぅる」(1290トン)は全長72メートル、全幅12・5メートル。液化CO2は氷点下50度、0・6メガパスカルの低温・低圧状態で運ぶ想定で、船体のタンク容量は1450立方メートル。関西電力の舞鶴発電所(京都府舞鶴市)の石炭火力発電から発生するCO2を分離・回収、液化し、約1000キロ離れた苫小牧まで同船で運ぶ。昨年11月に完成し、試験運航してきた。今年10月から日本ガスライン(松山市)や一般財団法人エンジニアリング協会(東京)などが、運航や実証試験を予定している。
22日は「えくすくぅる」を報道公開し、斎藤経産相が同船やJCCSの苫小牧CCS実証試験センター(苫小牧市真砂町)を視察した。同センターでは岩倉博文市長や苫小牧漁業協同組合の伊藤信孝組合長と意見を交換し、記者会見を行った。
斎藤経産相は、CO2大量輸送の実証事業に向けて「想像していたよりも前進している」と感想を述べ、「26年度までにLNG(液化天然ガス)船並み、数万トンクラスの輸送技術の確立を目指す」と意気込んだ。
苫小牧では地元関係者の協力で、CCS実証が順調に進んだことに触れて「世界のロールモデルとなり得るプロジェクト」と強調。苫小牧で進展するCCS事業化などに「地域の取り組みを後押ししたい」と述べた。
その上で苫小牧について「石炭火力発電所や製油所、大規模な港湾設備など、脱炭素に向けたポテンシャルが高い地域」と指摘し「産業集積の特性を生かし、脱炭素技術を活用することで、両立につながる」と期待を寄せた。





















