パリ五輪 セーヌ川沿いは立ち入り制限 テロ対策、市民に不満も

パリ五輪 セーヌ川沿いは立ち入り制限 テロ対策、市民に不満も

 【パリ時事】セーヌ川を舞台に行われるパリ五輪開会式(26日)のテロ対策などで、川沿いの立ち入り制限が18日から始まった。開会式では各国・地域の選手団が船上パレードを行い、約6キロほど川を下る。そのコースの両岸などが制限区域とされている。

 住民のほか、区域内に職場がある人でも、立ち入りには当局が発行するQRコード取得が必要となる。ホテルの宿泊者や、レストランの利用客も同じだ。地元メディアによると、運用で多くの混乱が生じたという。また、市の南北を結ぶ橋も複数が閉鎖された。一般の人たちは移動が困難になっており、不満の声も出ている。

 制限により区域内の飲食店も集客が見込めない。パリ中心部の観光地でセーヌ川の中州、シテ島にあるレストランの一つは、18~28日の休業を決めた。例年なら観光客が増える時期。同店の接客チーフ、ファイサルさんは「本来は稼ぎ時だが、もうからないので閉める。残念だ」と話す。食材などの配送業者の立ち入りが不自由になることも休業の判断材料になったという。同じくシテ島にあるイタリア食材店の店主は営業時間の見直しを検討している。

 夏季五輪で初めて競技場外で実施する開会式。会場が広範囲に及ぶため、警備はかつてない規模に拡大している。

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