苫小牧市の2023年度決算は、一般会計で実質収支約12億2100万円の黒字を計上し、11年連続で10億円超えの黒字となった。歳入から歳出や次年度への繰り越し財源を差し引いた実質収支は、前年度比23・4%(約3億7300万円)減で黒字幅は縮小したが、財政健全化指標の目標は守って健全性は確保。ただ、長引く物価高騰や人口減少、少子高齢化などさまざまな課題に直面しており、市は「財政基盤のさらなる強化に努める」としている。
一般会計の歳入は約918億7900万円で、前年度比6・7%(約57億3500万円)増。地方交付税で予算額を上回ったことなどが増加の要因。歳出は約905億4000万円で、7・2%(約61億1400万円)増。扶助費の増加や市民ホール建設費、学校の増改築などにより増えた。
歳入のうち柱となる市税は、0・2%(約6400万円)増の約288億7100万円。増加の主な内訳は、個人市民税が1・6%(約1億3100万円)増の約84億9800万円、固定資産税の家屋が2・0%(約1億1600万円)増の約58億6600万円。現年度分の収納率は前年度同様99・4%で、道内主要都市10市中4位となった。
財政健全化指標(速報値)は、いずれも目標をクリアした。財政の弾力性を示す経常収支比率は89・4%(目標値90%以下)、資金繰りの危険度を表す実質公債費比率は7・7%(同10%以下)、将来負担比率は71・3%(同120%以下)だった。
現時点で、「借金」の市債残高は877億円。「貯金」に当たる財政調整基金など基金残高は、今年度当初予算の財源対策による取り崩しで、約24億円減の159億円。
特別会計は国民健康保険事業、介護保険事業、後期高齢者医療の3会計いずれも黒字で、総額は約3億8700万円。企業会計の単年度資金収支は水道、下水道、市立病院、公設地方卸売市場の4会計とも赤字で、中でも市立病院は140・6%減(約4億1500万円)だった。
市長職務代理者の木村淳副市長は7月22日の定例記者会見で、「税収が上振れしたことで実質収支も大きくなった。数字的にはコロナ禍前の水準に戻った」と説明する一方、「物価高騰の影響や施設の老朽化対策など、さまざまな課題に対応しなければならず、厳しい財政状況が続く」と指摘。今後はJR苫小牧駅前の再整備など大型事業が想定され、「財政シミュレーションの精度を高め、財政秩序を守りながら、運営していきたい」と述べた。
















