2028年ロサンゼルス五輪では、追加競技として野球・ソフトボールなど5競技が実施される。その一つに選ばれたフラッグフットボールは、開催国の米国で絶大な人気を誇るアメリカンフットボールから派生して誕生。日本でも小学校の授業などで親しむ機会が増えているが、トップレベルの強化は急務だ。
▽男子は世界11位
1チーム5人で争う競技で、アメフトのような接触プレーはない。攻撃を止める際はタックルの代わりに、相手選手が腰に着けた「フラッグ」を奪う。米国を中心に、競技人口は世界100カ国以上で約2000万人とされている。
フィンランドで今年8月に開催された世界選手権には男女で計50チーム以上が参加。日本は女子が3位と健闘したが、男子は11位にとどまった。
男子の岩井歩ヘッドコーチは各国ともアメフト選手の参加が今後の強化ポイントの一つと指摘。「(アメフトの)知見が生きる部分も多分にある。戦える選手を集めることは重要」と語った。
▽NFLから参戦も?
ロス五輪での競技採用を受け、米ナショナル・フットボールリーグ(NFL)の複数のアメフト選手が興味を示している。米メディアによると、リーグを代表するQBのパトリック・マホームズ(チーフス)は「4年後、まだ動けるようなら挑戦してみたい」と話した。
日本国内ではアメフトのXリーグとの連携は進んでいないのが現状だ。Xリーグ側では、フラッグフットボールの強化合宿や遠征のために、選手がチームを離れることを懸念する声は根強い。
あるチームの関係者は「ベテランが第2のキャリアとしてフラッグフットボールを考えればいい。チームの主力は絶対に出せない」と話す。
▽Xリーグ選手参加は
Xリーグ・オービックのDB藤本将司(40)は、同リーグの選手で唯一、今年のフラッグフットボール世界選手権に参加した。全7試合でプレーしたが、Xリーグのシーズン初戦には出場できなかった。
藤本は「所属チームの理解があったからできたこと。五輪は目指したいが、現役選手としては所属チームが一番大事」と慎重に話す。
Xリーグを運営する日本社会人アメリカンフットボール協会の渡部滋之理事長は、五輪に向けた今後の連携について「リーグへのいい影響もあると思う。チームや選手の意見も聞きながら前向きに検討したい」と話している。

















