知床基地局、計画断念を表明 携帯向け設備、生態系の影響懸念

知床基地局、計画断念を表明 携帯向け設備、生態系の影響懸念

 知床岬での携帯電話の基地局整備計画について、政府は11日、生態系への影響を懸念する声が出ていることを踏まえ、当初の計画を断念すると正式表明した。同日に地元のオホーツク管内斜里町であった非公開の関係者会議の終了後、報道陣に説明した。

 計画では、KDDIなど携帯大手4社が知床半島北端の知床岬にアンテナを設置し、電源設備として太陽光パネルなどを約7000平方メートル分の敷地に敷設。今年度中に運用開始するはずだったが、環境保護の観点から町内外から見直しを求める声が相次いでいた。

 政府側は会議で、斜里町が見直しを促す声明を発表するなど事業の前提だった地元の合意形成の状況が変わったため、「もともとの計画で工事を進めるのは困難」と説明。計画を中止し、同町内で再度、合意形成される必要があるとした。

 基地局整備は、死者・行方不明者26人を出した2022年4月の観光船沈没事故を機に、緊急時の通信手段確保に向けて検討が加速した。大規模な太陽光パネル敷設の計画が明らかになった後の今年5月、斜里町が声明で自然環境や景観への懸念からいったん工事を見合わせるよう求めた。

 漁業者の安全確保の観点から要望が根強い半島東部の根室管内羅臼町ニカリウス地区での基地局整備は継続する。ただ、専門家から実施を求められている環境影響調査の結果が出るまでは着工できず、年度内に運用開始する当初計画からは大幅な遅れが生じるとみられる。

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