他者と交流の仕組み必要 重症心身障害支援 考えるセミナー

他者と交流の仕組み必要 重症心身障害支援 考えるセミナー

 苫小牧市のNPO法人テレサの丘(神代律子代表)はこのほど、苫小牧市民活動センターで医療的なケアを必要とする重症心身障害児・者が安心して暮らせる地域の仕組みを考えるセミナーを開いた。全国重症児デイサービスネットワークの鈴木由夫代表(68)らが重症心身障害児の地域生活をテーマに講演した。

 テレサの丘は、重症心身障害児を受け入れる通所支援施設を市内双葉町に設置。障害児と関わる福祉関係者や保護者と重症心身障害児への支援策を考えたいとセミナーを開いた。

 鈴木代表は「なければ創ればいい」と題して講演し、医療技術の進歩で新生児の救命率が上がったことに比例し、人工呼吸器や胃ろうなどの医療的なケアを必要とする子が増えていることを説明。自宅で暮らす重症心身障害児が増える一方、「地域の中で学んだり遊んだり、他者と交流できる仕組みが全国的に不足している」と語った。

 自身が理事長を務める名古屋市の社会福祉法人は、重症心身障害児の通所支援施設を運営し、重症心身障害児の施設が地域にあって機能していると、在宅生活をしっかり支えられることを強調。子どもたちや保護者とのエピソードを紹介し、「苫小牧が誰もが安心して幸せに暮らせるまちになるよう、テレサの丘のチャレンジを応援しましょう」と呼び掛けた。

 このほか、重症心身障害児のデイサービスを運営する札幌市のNPO法人ソルウェイズの宮本佳江代表が、医療的なケアを必要とするわが子との経験を交えながら、重い障害がある子どもの地域活動を可能にする支援の在り方を伝えた。

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