支笏湖産ヒメマス「支笏湖チップ」釣りが2019年6~8月の漁期を終えた。千歳市と支笏湖漁業協同組合のまとめによると、今季の釣獲数は前年比22.8%(3万5424匹)増の19万874匹。現在の集計方法になった1998年以降、最多記録を更新した。餌のプランクトンが豊富で、4年魚が順調に生育したことなどが要因とみられる。
貸しボート店や釣り人からの聴き取りと集計に基づく調査。これまでの最多は14年の15万8741匹で、3万2133匹上回った。10年以降毎年の放流数18万5000匹を初めて超え、過去10年間の釣果平均値10万2022匹の2倍弱に相当する。
漁に出た船は7・4%(403隻)減の5075隻と減少したが、1隻当たり釣獲数は32・5%(9・2匹)増の37・6匹と伸び、最多となった。釣れた魚のうち体長25~27センチの4年魚が全体の7割、23センチ前後の3年魚が3割を占めた。
月別釣獲数は6月10万9639匹、7月6万797匹、8月2万8290匹。6、8各月は最多を記録し、7月も2位で安定的に推移した。
支笏湖温泉、幌美内、美笛の各区域別では幌美内が26・6%(2万5239匹)増の12万16匹でトップ。支笏湖温泉が0・6%減の4万9118匹、美笛が92・9%増の2万1740匹と続く。
豊漁の要因について北海道立総合研究機構さけます・内水面水産試験場(恵庭市)は「昨年はヒメマスの餌となるケンミジンコなどの動物プラントンが豊富に発生した。水温など好条件が重なり、当時の3年魚が生き残って4年魚に育ったのでは」と推測。市の担当者は、今年の4年魚より上の世代に当たる数の多い特定の年齢魚「卓越年級群」が昨年までに減ったことも一因と指摘する。
同漁協の福士國治代表理事組合長は「昨年の豊漁で今年はどうかと思っていたが、予想が覆された」と驚きを見せる。「魚体が大きく料理に使いやすかった」とも。今夏はプランクトン増加につながる雨も多く降ったことから、「秋の親魚も育つのでは。来期の豊漁にも地域の皆さんで期待している」と話した。
市観光事業課も「3カ月間で冷凍庫が在庫で埋まり、安定的な通年供給ができそうだ」と語る。
















