JR北海道は4日、2018年度と19年4~6月期の線区別収支を発表した。18年度の営業損失は合算で549億7100万円となり、全27線区で赤字となった。全線区の赤字は同社が公表を始めた14年度から5年連続で、依然として厳しい経営実態を浮き彫りにした。
JR北の綿貫泰之常務と高橋慶久財務部長が会見し、説明した。
18年度の全線区の売上高に当たる営業収益は計782億8000万円。胆振東部地震や台風21号の影響で運休が続いたこともあり、前年度に比べ17億4000万円減となった。一方、雪が少なく除雪費が抑えられたことや車両の減価償却費も減少し、営業費用は前年度比19億200万円減の1332億5200万円。この結果、赤字幅は1億6300万円圧縮された。
北海道新幹線(新青森―新函館北斗)が線区別で最大の95億7300万円の赤字を計上。JR北が公的支援を前提に存続させる方針の8線区では、利用が増えた日高線(苫小牧―鵡川)は3億6800万円の赤字。前年度から5800万円改善させた。室蘭線(沼ノ端―岩見沢)は前年度比500万円改善したものの12億2800万円の赤字となった。
この他、日高線の鵡川―様似(バス代行の実績)は7億3900万円の赤字。室蘭線(室蘭―苫小牧)は1億300万円改善させたものの24億7400万円の赤字になった。
19年4~6月期も全線区で赤字を計上。営業損失の合算は116億800万円で、前年同期に比べると赤字幅を4800万円圧縮させた。
綿貫常務は「もともと鉄道部門を黒字にするのは厳しい。(利益が見込める)札幌圏などで少しでも改善できるよう、しっかり取り組みたい」と話した。
この日は国土交通省の監督命令に基づき、19年4~6月期連結決算や経営改善の進み具合も公表。売上高は前年同期比1億円増の403億円。純損益は10億円の赤字で、前年同期に比べ10億円悪化した。
















