新作映画への思い語る 「心平、」 主演の奥野瑛太さん 山城達郎監督

新作映画への思い語る 「心平、」 主演の奥野瑛太さん 山城達郎監督
インタビューに答える奥野さん(左)と山城監督

 東日本大震災後の福島県を舞台に家族の葛藤を描いた映画「心平、」が苫小牧市本町の映画館シネマトーラスで公開されている。主演は3作目となる苫小牧出身の俳優奥野瑛太さん(38)と山城達郎監督(38)=沖縄県出身=が苫小牧民報のインタビューに応じた。2人は新作を紹介し、奥野さんは苫小牧への特別な思いも語った。

 奥野さん初の主演作は2012年の「SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者」でトーラスでも公開された。奥野さんは「初めての上映から(えとが)一回りしたが、変わらず上映してもらえて励みになっている」と感謝する。

 新作は、軽い知的障害を持つ長男心平を中心に、原発事故で農業を諦めた家族を描く。奥野さんは「福島とはゆかりがなく震災後に傍観していた一人だった。自分の中ではぽっかり空いていた震災や被災地の人について、改めて見詰めさせてもらえる機会になった」と振り返る。「登場人物は誰もが一生懸命に生きる人たち。生きていくとはどういうことなのかと考えながら(役を)やっていた」と話し、「ありのままに写っている(福島の)風景を、見た人がおのおの持ち帰って感じてもらいたい」と呼び掛ける。

 苫小牧については「地元にいた時は何もないという変な喪失感があった気がする」と述懐。一方で、高校時代からトーラスに通っていたといい、「苫小牧で培われた感性は豊かで役に立つところがあると、この仕事だから特に思う」と口にし、「またシネマトーラスで流してもらえるようなすてきな作品に出合えるよう頑張りたい」と力を込めた。

 山城監督は、22年公開の映画「激怒」で助監督を務めた際、出演していた奥野さんの現場での振る舞いを見てオファーを決めたと言う。「奥野さんとでなかったら、こうした形にならなかったと思う。やれてよかった」と喜びを語った。「心平、」について「悲惨なものを悲惨なまま描くこともできるが、この映画では希望と言える何かで終わる方がよいと思って目指した。ただ、どう見えるかはお客さま次第」と話し、それぞれの感じ方で鑑賞してもらえることを願っていた。

 上映は11月1日まで。

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