苫小牧市議会定例会は6日も一般質問を続行。市は、新たな財源確保策ネーミングライツ(命名権)の導入施設として市が管理する歩道橋も加える方針を示した。大野正和氏(公明)の質問への答弁。
ネーミングライツは施設の命名権を得たスポンサー企業からの利用料収入を得る仕組みで、市ではこれまでスポーツ施設を中心に導入してきた。歩道橋への導入は初めてで、三光町の緑小学校近くにある市管理の歩道橋を対象に今年度中に公募し、来年6月からの事業開始を想定する。市管理の歩道橋はこの他、旭町の東小学校近くと北光町の北光小学校近くの2カ所があり、市は三光町の歩道橋への導入効果を検証し、残り2カ所への拡大も検討する考えだ。
山谷芳則氏(新緑)は、市としてカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の建設候補地に想定される植苗地区でIR開発に伴う自然環境への影響調査の必要性を指摘。市は「(候補地が)ウトナイ湖に近いため、環境に影響を与えないよう開発を進めることが前提で、技術的には対策は可能と考えている」と説明し、現地調査を含めた検討には「予算計上が必要」との認識を示した。
橋本智子氏(民主クラブ)は胆振東部地震に伴う太陽光発電施設の被害を質問。市は「道に確認したところ、苫小牧市、厚真町、むかわ町で各1件の被害。地震による地面の隆起などでパネルの損傷が2件。(発電関連設備の)パワーコンディショナーの損傷が1件あった」と回答した。
冨岡隆氏(共産)は市内の幼児が利用する施設周辺の安全点検の状況を尋ねた。市は各保育施設から点検場所の提出を受け、関係部署と道路管理者、警察署、施設関係者と連携した上で、「8月に現地での合同点検を68カ所で実施した」と説明した。
大西厚子氏(公明)はブロック塀の安全対策を求めた。市はブロック塀設置には申請が不要なため、実態把握が難しいとし、「ブロック塀の維持管理は所有者、管理者の責任で点検し、適正な状態に維持することが重要。市のホームページや広報を通じ、意識啓発などをしている」と現状を伝えた。
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記者席 常に見られている
6日正午、市議会定例会が開会中に胆振東部地震の犠牲者を追悼し、市が鳴らした消防のサイレンに合わせ、市幹部や市議をはじめ、傍聴席の市民も含めて黙とうをささげた。
数分前まで論戦が交わされていた議場は静まりかえり、一人ひとりが目をつぶり、被災地を思った。
ただ、議場の一部の市議の姿を見て、「上着を着ないのか」との市民のつぶやきが聞こえた。暑さ対策のクールビズ期間なので、上着の着用は個人の裁量だが、今回の黙とうについては事前に各会派の代表者会議で行うことを申し合わせていた。中には黙とうのため、上着を取りに控え室に戻った議員もいた。
記者としては着ていた衣服で哀悼の意に違いが出るとは思わないし、不真面目だと断罪する気持ちもない。それでも、市民の負託を受ける議員の特別な立場を考えると、常に見られていることは記しておきたい。(河)
















