国際情勢の変化を背景に、金の取引価格が高騰している。今月に入り、大手販売店の小売価格が1グラム5700円台を付け、約40年ぶりの高水準で取引されている。苫小牧市内のリサイクルショップでは高値での換金を目的に買い取り依頼が増えている。資産形成などで金に関心を寄せる人は多く、今後も相場動向に注目が集まりそうだ。
大手取扱店の田中貴金属工業(東京)が公表している金の小売価格は5日現在で1グラム当たり税込み5751円。7月までは5000円前後で推移していたが、8月上旬に5500円台を突破し、1980年1月の6400円台に次ぐ高値水準となっている。
金売買の大手、田中貴金属グループの持ち株会社TANAKAホールディングス(東京)広報広告部の担当者は、金相場の上昇について「6月にFRB(米連邦準備制度理事会)が利下げを決めた影響と米中貿易摩擦などが背景にある」と分析。10月の消費税増税などを見越し、資産形成で購入するケースが増えていることも追い風になっているという。
田中貴金属工業によると、全国の取扱店で8月に買い取った金の量は月平均の5倍に当たる5000キロといい、今回の金価格上昇は市場に大きな影響を与えている格好だ。
こうした動きに連動し、苫小牧市内の金を売買する店舗でも買い取り件数が増えている。市内桜木町のなんでもリサイクルビッグバン苫小牧桜木店は、折り込みチラシや店内放送で金価格の急騰をPR。8月の買い取り件数が前年同期比で4割増となった。指輪などの宝飾品で持ち込まれることが多く、井村雅仁店長によると品質や状態で買い取り価格に幅はあるものの「7~8年ぶりの高値で持ち込む人が増えた」と話す。
市内住吉町のリサイクル店のオン・ザ・コーナーは買い取り件数に大きな変動はないものの、30代以上の女性を中心に宝飾品の売却が堅調。遺品整理の請け負い業務の中でも金製品が見つかるケースは多く、遺族からの買い取りの申し出も寄せられるという。
菅原修一代表は「相場は下降することもあるため、今後の動向を見ていく必要がある」と話した。
















