欧州と東アジアを最短で結ぶ新たな海上物流ルートとして注目される北極海航路を利用した貨物船が、10月6日に苫小牧港に寄港する。苫小牧港管理組合が9月17日に公表した。同航路の船舶は2年前に試験寄港で初入港し、これまで3隻が寄港しているが、コンテナ貨物での輸入は今回が初めて。同組合関係者らは苫小牧港を同区間の中継港に位置付ける戦略を進めており、今回のトライアル輸送が大きな一歩になるとして期待を寄せている。
同組合によると、寄港するのは中国海運大手コスコ社の一般貨物船「TIAN EN(テンエン)」(総トン数3万6000トン)。フィンランドのヘルシンキ港で中国向けのウッドパルプと、日本向けに40フィートコンテナ20本分の住宅用製材を積み込んで13日に出港した。日本向け貨物の船舶代理店は苫小牧埠頭(本社苫小牧市)で、製材は道内2社が輸入する。10月6日に苫小牧港・東港国際コンテナターミナル中央埠頭(ふとう)に入港予定で、苫小牧港利用促進協議会は歓迎訪船を予定している。荷揚げ後は中国へ向かう。
北極海航路の船舶が苫小牧港に寄港するのは今回で4度目。初回は2017年6月にロシアのLNG(液化天然ガス)プロジェクト資材を運ぶモジュール船が試験的に立ち寄り、同9月と18年8月にコスコ社の一般貨物船が飼料原料を荷揚げした。
北極海航路は地球温暖化の影響で北極周辺の海氷面積が縮小する夏季(7月~11月)に航行できる。欧州と東アジアを結ぶ一般的な航路はスエズ運河(エジプト)経由の南回りルートが主流。航行距離は2万1000キロに及ぶが、北極海航路は4割減の約1万3000キロ、輸送日数も約2週間短い25日程度で輸送が可能。燃料消費量や排出ガス削減のメリットもある。
北極海航路は日本政府も注目を寄せており、利用拡大の中で苫小牧港を中継港に位置付ける中長期的な取り組みも進んでいる。
苫小牧港管理組合の三田弘志港湾政策室長は、同航路でコンテナ貨物が初輸入されることについて「官民を挙げて地理的優位性などを積極的に発信してきた成果と考えている。これを機に同航路のコンテナ貨物の取扱量拡大を期待したい」などと話した。
















