芸術と日常の関わり語り合う 秋期展示でシンポジウムも―樽前arty+

芸術と日常の関わり語り合う 秋期展示でシンポジウムも―樽前arty+
芸術祭の今後について活発に意見が交換されたシンポジウム

 苫小牧市樽前地区を拠点に活動する「NPO法人樽前arty+」(アーティ・プラス、門馬羊次代表理事)は15、16の両日、苫小牧樽前小学校で「樽前arty2019 芸術祭のしまい方 100年先の未来へ」の秋期展示を行った。「芸術祭をしまう」をテーマにシンポジウムも開き、アートと地域や日常の関わりをめぐり、関係者が意見を交換した。

 樽前小を拠点に数年置きに開催している芸術イベント。11回目の今年は初めて春(4月30日~5月2日)、夏(8月5日~同11日)、秋(9月15、16日)の3期にわたり、内容に変化を付けて繰り広げた。

 今期は、同校体育館に厚真町で窯元「登志陶房」を営む陶芸家の石山俊樹さん、寿子さん夫妻と長男容(たすく)さんの親子3人の作品を展示し、胆振東部地震で被害を受けた作品の一部も破損した状態のまま並べた。地震の一端を伝えたほか、割れているから技法の違いがより鮮明に分かり、来場者の関心を集めていた。

 シンポジウムでは、宮城県のリアス・アーク美術館副館長で芸術家の山内宏泰さん、美術教育が専門の山崎正明・北翔大教授、北大総合博物館の山下俊介助教、樽前アーティ理事の藤沢レオさんがパネリストとなった。

 藤沢さんは樽前アーティへの市内外からの来場者が2000人を記録した時、地元との距離に気付き、活動に疑問を持ったことを告白。「ここで暮らしている人のためにアートは何ができるのか」と企画内容を模索したという。

 山内さんは、地元以外の人が主導して上から目線の企画になる芸術祭があることを問題視し、「(地域性を取り入れることで)アートに社会的な機能が芽生える」と語った。

 山崎さんは樽前アーティの活動に「地域の魅力に気付く機会になっている」と指摘し、山下さんも「人の気持ちを考えることがいろんな形で現れている」と評価した。

 このほか、仙台市の美術家、是恒さくらさんによる地域の写真を生かしたブックカバーやポーチづくりのワークショップも開かれた。

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