10月1日から始まる消費税率10%に合わせて導入される軽減税率制度に対応しようと、苫小牧市内の事業所などでレジの更新作業が本格化している。今月に入り、メーカー担当者や代理業者らによる機種更新や設定変更の作業もピークを迎えている。その一方で同制度に対応する補助金申請は想定を下回っており、国は手続き要件を緩和して多くの利用を呼び掛けている。
菓子製造販売の三星(糸井)は8日からレジの更新作業を開始し、17日までにほぼ完了した。対象は複数税率の対応が必要な市内13店舗の31台。東京のレジメーカー担当者が各店を訪れ、タッチパネル方式で商品のバーコードを読み込ませ、8%と10%の税率を自動判別する機種との入れ替え作業を行った。
軽減税率制度では食品の持ち帰りと店内飲食で税率が異なるため、各店舗内のイートインスペースはすべて飲食を想定しない休憩所扱いとし、消費税率は8%で対応。ただし、本店には店内飲食スペースを持つカフェがあるため、持ち帰り8%、店内飲食10%の複数税率で対応する考えだ。
担当者は「10月中に電子マネー決済も対応させる」としており、利便性向上による顧客拡大も図る方針としている。
スーパー「フードD」を運営する豊月(本社芦別市、本部永福町)は、市内外のスーパー13店でレジ約130台を更新し、10月以降の軽減税率制度に備える。同社の担当者は「前回の増税時はシステム改修で済んだが、今回はレジの入れ替えが必要で費用も掛かる。複数税率はスーパーにとって大変」と心境を明かす。
苫小牧商工会議所は市内の事業者がスムーズに対応できるよう、6月中旬から苫小牧経済センタービル2階に小売店向けPOSレジシステムの体験コーナーを設置。飲食店や小売業者などが訪れているといい、実際に端末を操作したり、業者に問い合わせるケースもあるという。
セミナーを通じた軽減税率制度などの周知にも取り組んでおり、担当者は「飲食や小売業以外でも複数税率への対応が必要な企業は多い。まだレジを入れ替えていない業者に対しては個別の相談にも応じる」としている。
企業側でレジの更新作業が進む一方、補助金の申請は低調だ。
国は消費税増税に合わせた軽減税率の導入に伴い、複数の税率に対応するレジ導入や受発注システムの改修を推進するため、費用を一部支援する補助事業を2016年4月に導入した。中小企業庁によると、全国で30万件の申請を想定していたが、今年8月末時点で約12万6000件にとどまるという。
同庁は「30万件は最大限見積もったもの。実際に申請するかは事業者の判断になる」と説明する。ただ、販売店側でレジ設置の見通しが立たず入れ替えを控える動きも見られるため、8月に手続き要件を緩和。9月中に契約を終えていれば、10月以降の設置でも補助の対象となるよう改めた。
同庁の担当者は「事業者の実態を踏まえ、情報提供を続ける」と話している。
【軽減税率制度】
10月の消費税増税に合わせて一部の品目に対し、標準税率(10%)から軽減した税率(8%)を適用する制度。一定の外食やケータリング(仕出しなど)を除く飲食料品と週2回以上発行される定期購読の新聞が対象。軽減税率の対象品目を取り扱う事業者だけではなく、対象品目の売り上げがない事業者や消費税の納税義務のない免税事業者も含め、全ての事業者に関係がある。
















