苫小牧市内で、独り暮らしの高齢者に手書きの手紙を送る活動を30年以上続けるボランティアグループがある。市民18人でつくる、ふみの会(杉村静枝代表)。地域で孤立しがちな独居高齢者が増える中、手紙を通じた心温まる交流を地道に重ねてきた。8月に、道から2019年度北海道社会貢献賞(地域活動推進功労者)を受けたことを励みに、会員たちはさらに活動への意欲を高めている。
市社会福祉協議会主催の婦人ボランティアスクールで、奉仕活動について学んだ受講者ら29人で1988年4月に発足した同会。「約2カ月間、一緒に勉強した仲間がここで解散するのはもったいない」と、1人で暮らす市内の80歳以上の高齢者に手紙を送る活動に乗り出した。
月1回、市民活動センターで開かれる例会で、事前登録している高齢者に手紙を書く活動がメイン。通常は苫小牧ライオンズクラブから寄付されたはがきを使って手紙を出しているが年賀状や誕生日カード、クリスマスプレゼントなども送っている。
文面は会員が個々に考えている。自身の私生活の事は書かないようにしたり、相手のことを「おじいさん、おばあさん」と表現しないなど、受け取る側が不快に思わないよう配慮する約束事を設けている。
会員とつながる高齢者は直接顔を合わせたことがないケースが大半だが、月に1、2回届く手紙を心待ちにしている人は多い。
設立メンバーの1人、兼平幸子さん(79)=王子町=は、「返事をもらえるとてもうれしい。担当していた女性が亡くなった後、家族から『母はあなたからの手紙を楽しみにしていた』という手紙が届いた時は、活動をしていてよかったと心から思った」と振り返る。
現在の会員は60~80代の18人。設立当初からのメンバー3人も活躍中だが、手紙を受け取る側の「登録高齢者数」はピーク時の3分の1以下の78人となっている。
かつては市や社会福祉協議会などから独居高齢者に関する情報提供を得ていたが、個人情報保護の観点から難しくなったことも一因。会員が各地域で、個別に声掛けをするなどして登録者確保に努めているが、杉村代表は「必要としている人すべてに、情報が行き届いていないのが悩み」と話す。
同会は道社会貢献賞受賞を機に、登録者数をさらに増やしたい考え。杉村代表は「ささやかな活動だが、私たち会員にとっても社会に参加できる大切な機会。手紙を受け取ってくれる人がいなければ活動が成立しないので、受賞をきっかけにより多くの人にこの取り組みを知ってもらい、登録につながれば」と話す。
ふみの会に関する問い合わせや、手紙受け取りを希望する高齢者の登録は市社協内の市ボランティアセンター 電話0144(84)6481。
















