苫小牧市内で近年、外国人居住者が増加している。人口減少や人手不足を背景に、新たな労働力としてベトナム人などを中心とする外国人雇用が増えているためだ。市内では市民主体の交流団体が相次いで発足。外国人雇用をテーマとしたセミナーも開催されている。市も実態把握を進め、市内在住の外国人をサポートする体制を強化する考えを示している。
市によると、外国籍を持つ市内居住者は8月末時点で男女合わせて669人。国籍別に見ると、最多がベトナム人で183人。次いで韓国・朝鮮が156人、中国105人となり、この3カ国で全体の6割強を占める。2014年12月末時点では432人となっており、過去5年は年間50人弱のペースで増えている格好だ。
中でもベトナム人は急増しており、市内の居住者数は18年末で153人。14年末はわずか14人で、15~17年も年間7~25人の増加だったが、18年はわずか1年で79人も増えている。
こうした動きに市の担当者は「技能実習で来ているケースが大半」と説明。19年4月の出入国管理法の改正で、建設や介護など人材不足が深刻な分野で新たな在留資格が導入されたことも追い風になっており、「この傾向は今後も続く見通し」と分析する。
今月11日には苫小牧市内で道主催の建設業経営支援セミナーが開かれ、外国人材の受け入れをテーマに講習会が行われた。社会保険労務士が改正入管法のポイントや受け入れ方法などを丁寧に解説。参加した市内建設会社の担当者から「若い人材を中心に人手不足。将来を見据えて検討したい」などの声も上がった。
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居住外国人の増加を受け、民間主導で交流団体設立の動きも進んでいる。苫小牧では姉妹都市や友好都市の間柄にある中国・秦皇島市やニュージーランド・ネーピア市と関係する市民団体が以前からあったが、18年5月に苫小牧日台親善協会、19年3月には北海道ベトナム交流協会苫小牧が設立するなど、国際交流の動きは活発化している。
ベトナム交流協会苫小牧の石森亮会長(苫小牧商工会議所副会頭)は「長い目で見ると外国人との交流は仕事以外の深い部分で必要になる。それには安心できる生活環境が重要。官民挙げた環境整備は不可欠だ」と強調する。
市は今年度、国際交流部門にニュージーランド出身の男性を「国際交流員」として初めて配置した。相談対応や情報発信以外に、外国人の視点で苫小牧の暮らしや観光課題を掘り起こす狙いがある。
また、サポート体制の充実に向け、外国人を対象にアンケートを実施する計画もある。岩倉博文市長は9月の市議会定例会で、市の男女平等参画都市宣言に記された人権尊重の観点から「誰もが住みやすく働きやすい環境整備を進めたい」との考えを表明。地元企業と連携しながら実態把握を進める意向を示した。
人手不足に伴う外国人活用は今後も進む見通しで、官民を挙げた受け入れ環境づくりが加速しそうだ。
苫小牧市内に居住している外国人数(主な国別),,その他,142,167,175,188,194,225,※各年12月末の住民基本台帳に基づく。,,中国,120,131,133,110,99,105,,韓国・朝鮮,156,158,148,155,149,156,,ベトナム,14,21,56,74,153,183,総数,432,477,512,527,595,669,年,2014,15,16,17,18,19年8月末
















