苫小牧の90代夫婦が樽前山登頂 「体力のあるうちに登れた」 家族の同行が支えに

苫小牧の90代夫婦が樽前山登頂    「体力のあるうちに登れた」 家族の同行が支えに
樽前山の東山ピークに到着した小野一郎さん(右から2人目)、ヤエさん(同4人目)ら=今月10日撮影(提供)

 苫小牧市錦岡の90代夫婦が樽前山(1041メートル)登頂を成し遂げた。家族に支えられながら7合目から約2時間かけて山頂に到達した。約40年ぶりの挑戦に成功した2人は「長年、麓から眺めてきた郷土の山。体力のあるうちに再び登れてとてもうれしい」と喜びをかみしめている。

 登頂したのは元酪農家の小野一郎さん(94)、ヤエさん(90)夫妻。一郎さんは山形県真室川町出身で、20歳だった1945年に来苫し、51年から錦岡の原野を開拓した。牧草地を整備し、乳牛を育ててきたが71年、農地の多くが住宅用地化され廃業。樽前山の麓にある自宅周辺の畑でジャガイモやニンジン、ハクサイ、大豆、小豆など野菜を栽培する生活をしてきた。現在も夫婦2人暮らしで農作業を続けている。

 樽前山登頂を果たしたのは9月10日。4年ほど前、ヤエさんが自宅庭から同山を眺め「元気なうちにみんなで登りたい」と家族に語ったのがきっかけで、70年代後半に家族や近所の知人と一緒に、外輪山まで登って以来という。

 登山メンバーはいずれも市内在住で、長男、次男、次男の妻、長女を加えた6人。万が一の事故も想定し、簡易的な担架と人を背負うことができるロープ、非常食、十分な水を持参。午前9時半に7合目駐車場をスタートした。

 当日の天気は快晴。小野さん夫妻は「普段の農作業で体力は十分」としっかりした足取りで、家族の手助けを受けず元気に登った。登山道の所々で水を飲んだり、あめ玉をなめたりして休憩を取りながら着実に進み、午前11時40分ごろ東山ピークに到達した。

 「よく晴れていたので頂上からの眺めは最高。支笏湖もきれいに見えた」と一郎さん。「体力を試す意味もあったが、思ったより楽に登れた。子どもたちが付き添ってくれたので心強かった」と言う。ヤエさんも「頂上まで来られてとてもうれしい。家族の協力に感謝している」と語る。 

 午後2時すぎ、7合目駐車場まで無事に下山。同行した家族と喜びを分かち合った。

 「普段から父と母の元気な姿を見ているので、頂上まで登ることに不安はなかった」と錦西町に住む次男の敏明さん(62)。日新町在住で長男の重見さん(65)も「頂上からは苫小牧の街並みもよく見えて最高だった。両親の喜んでいた顔が忘れられない」と語る。

 樽前山7合目ヒュッテ管理人の鈴木統(はじめ)さん(67)によると「80代の登山者は多く見掛けるが、90代の夫婦というのは珍しい」という。

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