あすから消費税10% 事業者、準備に大わらわ

あすから消費税10% 事業者、準備に大わらわ
税率10%の値札の取り付け作業を行う従業員=フードD365OASIS店

 あすから消費税率が10%に引き上げられる。一部で軽減税率が適用されるため、小売店をはじめとする事業者は値札の切り替えなど対応に追われ、一部店舗ではレジ更新が間に合わないところも出ている。家計負担が重くなるほか、事業者も含めて複雑な軽減税率への対応に戸惑いが広がりそうだ。

 苫小牧市澄川町のフードD365OASIS店は、税率10%となる洗剤や酒など約3500点の商品について、税率10%で算出した税込み価格の値札を作成。陳列棚の札ケースにあらかじめ差し込んでおき、30日の閉店後、一斉に交換作業を行う。レジ更新も閉店後に業者が対応。動作確認のため、10月1日は開店時間を通常の午前9時30分から午後1時に変更する。吉田浩店長は「混乱のないよう準備を進めている」と話す。

 市内5店を含む道内86店でスーパーを展開するマックスバリュ北海道(札幌市)は、3月からレジシステムを改修。従業員も研修を通じて軽減税率への対応を学習した。同社経営企画部は「今回の増税は複数の対応が必要。一部の商品で駆け込み需要があったので10月以降の消費動向を注視したい」としている。

 市内表町の婦人服専門店カナユニは、駆け込み需要を想定してコートやジャケットなど秋冬物を早めに陳列したが、売り上げは前年並みという。顧客層は70代前後の年金生活者が多く、今後の出費増に備えて買い物を控える動きもあるといい、赤丸玲子社長は「増税後は目を引くような商品展開で対応したい」と語る。

 飲食店の中には軽減税率対応のレジが間に合わないところもある。市内大町の焼き鳥店「鳥しげ」は商品をテークアウトでも販売。レジは7月に注文したが納品に約3カ月かかる見通しで、当面は手書き伝票で対応するという。

 同町の飲食店「izakaya草―sou―」は増税に伴う仕入れ価格の値上がりを想定し、メニューの見直しを決めた。担当者は「増税後に客足がどうなるのか、不安な飲食店は少なくない」と語る。

 増税前に買い物を済ませた人もいる。市内明野新町の会社員山口大輔さん(41)は自家用車の冬タイヤを購入。「高価な品物ほど消費税負担は大きくなる。1000円くらいの違いだけどスタッドレスタイヤは冬の必需品。少しでも家計負担は少ない方がいい」と心境を語った。

 一方、食事付きの有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅では、思わぬ影響が懸念されている。

 入居者に提供される食事は1食当たり640円以下、1日当たり1920円以下の場合に軽減税率が適用される。最近は食材の値上がりによるコスト高を招いており、有料老人ホームを運営する市内事業所の担当者は「食費を上げると軽減税率の適用外となり、入居者や家族の負担増になることも考えられる。高齢者にとって食事は大きな楽しみの一つなので、限られた予算の中でどうやりくりをするか。工夫が強いられる」と話している。

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