苫小牧市 20年度から戸別収集の全域化検討 ゼロごみ大作戦第5弾

苫小牧市 20年度から戸別収集の全域化検討 ゼロごみ大作戦第5弾

 苫小牧市はまちぐるみで市政課題に取り組む大作戦シリーズについて、2020年度に「053(ゼロごみ)大作戦」の第5弾を展開する方針を固めた。市内の一部地域で試行的に実施している戸別収集に対し、目標とする全市展開の可能性を改めて探り、20年度中に一定の結論を出す考え。市民にとってはごみ出しの負担軽減につながるが、コスト高や収集作業員の人員確保という問題もあり、実現には課題が山積している。

 053大作戦はごみの減量とリサイクルの推進などを目標に07年、09年、12年、15年の計4回実施してきた。06年度に全道平均を下回る11・2%だった市内のリサイクル率が14年度には28・2%まで向上し、10万人以上の道内主要都市で初めて1位に輝いた。その後も30%台まで押し上げ、現在もトップレベルを維持している。

 この間、家庭ごみの有料化で分別意識の向上やごみの減量が進展。市内2カ所の焼却施設のうち、今年4月に糸井清掃センターを廃炉にし、数十億円単位の更新の費用削減につなげている。

 岩倉博文市長はごみ行政をめぐる現状の課題として、燃やせるごみに含まれる生ごみと事業系ごみの削減、収集体制の改善などを提示。20年度の第5弾でこれらの課題の解決に向けて、原点回帰をキーワードにして「もう一度、市民に分別の徹底を求め、この取り組みが持続できる仕組みも同時に考えたい」としている。

 このうち収集体制の改善では、戸別収集の全域化を模索する。市は16年7月から市内14地区、約3000戸の戸建て住宅をモデル地区に、自宅前に出されたごみを収集業者が回収する戸別収集の検証作業を2年間実施。モデル地区以外も含めた市民アンケートで約5割が全市的な拡大を希望した。

 岩倉市長は「高齢化社会を迎え、戸別収集はベストな対応」と強調するが、収集作業員の8割は人員不足や業務負担の増大を理由に反対するなどこうした課題から踏み込めずにいる。

 モデル地区の戸別収集は現在も継続しているが、近年の人手不足問題は「当初は想定していなかった」(岩倉市長)とし、「さまざまな対応を考え、20年度の大作戦で収集方法の在り方も決断したい」と語る。

 今年9月の市議会定例会では、モデル地区の戸別収集について、業者委託経費が市の推計で約8000万円の負担増となっていることが分かり、市議が指摘する場面もあった。これらの課題とごみ処理問題をどう調整するかは喫緊のテーマで、今後の市の判断が注目される。

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