支笏湖体験型観光増える 支笏洞爺国立公園指定70周年シンポジウム

支笏湖体験型観光増える  支笏洞爺国立公園指定70周年シンポジウム
各地域の現状や課題を話し合ったシンポジウム=洞爺湖文化センター

 支笏洞爺国立公園が指定を受けて、今年で70周年を迎えている。道央部の地積に連続する山岳と森林、湖沼といった自然環境の保護や観光への活用をめぐり、記念のシンポジウムが9月28日、洞爺湖町の洞爺湖文化センターで開かれた。公園内4地域の当事者たちが各地の現状を報告。今後の課題などで意見を交わし、国民的財産の将来展望を模索した。

 環境省北海道地方環境事務所、洞爺湖、壮瞥両町の主催。「どう活(い)かす? どう守る? みんなに愛される国立公園の未来形」のタイトルで各地域の関係者など計約160人が集まった。

 討論は中長期的視点で公園の将来像を考えようと、テーマを「支笏洞爺国立公園指定100周年に向けて」に設定。国立公園支笏湖運営協議会の佐々木義朗会長、洞爺湖町の真屋敏春町長、登別国際観光コンベンション協会の唐神昌子会長、NACニセコアドベンチャーセンターのロス・フィンドレー社長らがパネリストとなった。

 佐々木氏は支笏湖地域の観光客受け入れの現況について報告した。近年はカヌーやカヤック、ダイビングなど体験型観光の担い手が加わっている情勢を話し、「地域の人材確保が不可欠で住む人々の生活環境も考えて、まちを形成しなければ」と指摘。他方で休日に観光客が殺到するオーバーツーリズムを一番の課題に挙げた。

 真屋氏は洞爺湖町の取り組みとして「湖畔のトイレを全て洋式化し、遊歩道に無料の無線通信Wi―Fi(ワイファイ)を整備した。民間による漫画とアニメの催しも開催し、2日間で7万2000人が訪れた」と振り返った。フィンドレー氏は宿泊業以外にも経済効果を及ぼす可能性を秘めた自転車道の整備や広大なエリアを管轄する自然保護官の増員などを積極的に提案した。

 これに先立つ基調講演では各地のビジターセンター運営を受託する自然公園財団の阿部宗広専務理事とミュージアムアドバイザー染川香澄氏が講話した。支笏と洞爺のエリアについて阿部氏は札幌からのアクセス性の良さ、規模の大きな二つのカルデラ湖が国内屈指の透明度を持つなどの特徴を紹介。外部の視点で地域資源を見直し、各種の取り組みを進める上で「国際観光旅客税の補助金制度も活用しては」と提言した。

 染川氏は過去に助言した博物館や科学館などを例に挙げ、公園内の教育的施設では利用者の感覚で展示や解説を行うことの重要性を指摘した。

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