消費税率が10%に引き上げられて10日が過ぎた。キャッシュレス決済時のポイント還元や飲食料品に対する軽減税率適用など、家計の負担緩和や景気の下支えが国策として進められているが、苫小牧市内の事業者からはポイント還元については、認知度が低いため「利用が低調」との声が上がる。消費者も軽減税率の仕組みが複雑で「値上げしている食品も多い」と訴える。節約を始めた市民もおり、緩やな地域経済への影響が懸念される。
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国が導入を推進している最大5%のポイント還元が受けられるキャッシュレス決済の加盟店舗数は、9月25日現在で49万8281店。インターネットの専用サイトでは、地図検索機能で積極的に位置情報などを発信している。苫小牧市内でも飲食店を中心に1061件の申請があり、導入店舗は徐々に増えているが利用は低調なようだ。
市内外で焼き肉店などを展開する金剛園(新中野町)は、市内6店舗でクレジットカード決済に対応しているが、多くは現金決済。濱輝仁営業部長によると、ポイント還元制度を紹介するとカード決済に切り替えるケースもあるといい、粘り強く働き掛ける方針という。
ポイント還元システムを取り入れたものの、キャッシュレス決済への関心が薄いシニア層が多いため十分な売り上げ効果を得られていない店舗もある。
婦人服店のながやま(表町)は、顧客の多くが60代から70代の女性で、長山愛一郎代表は「キャッシュレス決済を知らない人も多く、客足はそれほど変わらない」と冷静。この傾向はしばらく続くと予想する。
ボウリング場の苫小牧中央ボウル(本町)も客はシニア層が多く、「キャッシュレスの利用は低調」と中村裕信社長。今後、近隣飲食店との連携や新たな電子決済サービス導入で、幅広い年齢の客層を取り込みたい考えだ。
一方、市民の間には、節約志向が広がる。
澄川町の主婦白戸悦子さん(86)は軽減税率が複雑で、「これは8%」と思っていたら値上げされた品物も多いと指摘。「スーパーのチラシを見比べながら、少しでも安く買うよう工夫している」と言う。
全国では増税後、キャッシュレス・ポイント還元事業で店舗情報の誤表示が相次いでおり、経済産業省キャッシュレス推進室が修正対応を進める。当面は土日祝日もコールセンターを開設。事業者や消費者の疑問に応えていく方針だ。
















