苫市議会臨時会が開会 環境調査費で審議、IR誘致決議案提案へ  

苫市議会臨時会が開会 環境調査費で審議、IR誘致決議案提案へ  
多くの市民で埋まった傍聴席。IR議論の行方に注目している=午後1時ごろ、苫小牧市議会本会議場

 苫小牧市議会臨時会は28日午後1時に開会し、本会議で苫小牧市が誘致を進める国際リゾート構想に係る環境影響調査費を追加した2019年度一般会計補正予算案の質疑に入った。傍聴席はすべて埋まり、庁舎2階のテレビ中継スペースにも市民が集まっている。午前中の議会運営委員会(板谷良久委員長)で、最大会派の新緑がカジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致の決議案を提案。補正予算案の審議後に決議案の採決に入る見通しだ。IR申請主体である北海道の鈴木直道知事が誘致の是非を年内に判断をする方針で、一足早く優先候補地の苫小牧市のIR議論がヤマ場を迎える。

 補正予算案は、同構想で想定している新千歳空港に近い植苗地区の候補地の環境影響調査費として約1800万円を計上。IR候補予定地と東京の投資会社が今月上旬に発表した高級リゾート計画の予定地を含む。

 各地権者や周辺ゴルフ場などが過去に実施した調査データ(動植物や地下水など)を活用し、第三者の専門機関による分析を加えて行政評価する。保全措置や今後必要な調査方針も検討し、年度内に一定の結論を示す。なお、市独自に現地調査を行う考えは無く、将来的に追加調査が必要になった場合は道と協議して対応する意向だ。

 植苗地区はラムサール条約登録湿地のウトナイ湖に近く、多様な動植物が生息するエリア。市民から大規模開発に伴う環境影響を懸念する声や、IRとは別の高級リゾート計画が進む中で、「行政として即応する姿勢を示した」(岩倉博文市長)と臨時会での審議に理解を求めている。

 午前中の議運で新緑が示した決議案では、IRについて人口減少と少子高齢化の時代の成長戦略として、雇用創出と地域経済活性化に寄与するとし、市のIR誘致活動を「支持する」と明記。さらに苫小牧がIR候補地に選ばれるため、「地元の合意形成に向けた誘致醸成を図るなど、誘致活動を積極的に推進する」と強調した。

 新緑は「できるだけ多くの賛同を得たい」とし、水面下で各会派の意向を聞き内容を調整中だが、最終的な文言は変わる可能性もあり、議会がIR支持をどこまで鮮明に打ち出すかが注目される。

 市議会事務局では議場の傍聴席の他、市役所2階談話室にテレビを置き、議会中継を流す環境も整えた。傍聴に訪れた市内川沿町の男性会社員(52)は「IRは大きな問題と思っている。賛成、反対各議員の考え方を聞きたくて、初めて議会に来た」と話していた。

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