苫小牧市議会臨時会のIR推進決議 本格議論はこれから

本会議場の演台で、決議をめぐって質問に答える提案者の市議=10月28日、苫小牧市議会本会議場

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致について、苫小牧市議会が先月の臨時会で賛成多数で可決した誘致推進の決議は、あくまで道の方針表明前に優先候補地としてのスタンスを示したもので、現時点では年内に示される道の判断が一つの正念場になる。その決定が仮に「誘致」となった場合、苫小牧市はIR整備法に基づき、立地自治体として施設概要などの具体的な内容を前提に議会判断が再び問われることになる。

 ■市民からも高い関心

 先月28日の臨時会。本会議場の傍聴席は開会した午後1時時点ですでに満席となり、市役所2階談話室に設けられたテレビ中継スペースにも多くの市民が集まった。

 議案は国際リゾート構想予定地の環境影響に係る調査費を盛り込んだ2019年度一般会計補正予算案、議員提案のIR誘致に関する決議案の2件。審議は9時間半という異例の長さに及び、いずれも市議27人(議長を除く)のうち賛成19人、反対8人となった。

 決議案は賛否が割れる中、原案を作成した最大会派の新緑が水面下で多数派工作。誘致活動の「積極的」の部分を削除するなどの一定の配慮を示したことで、全議員の7割を占める4会派と無所属1人の賛同を得た。

 臨時会の質疑応答では議会としてIR誘致を支持する根拠の不明瞭さも見られ、消化不良な部分もあった。中でも市民がIRに対して十分理解していないことを推進派の議員が「私も感じている」と認めていたため、「市民不在だ」と決議提出を強く批判する場面もあった。

 ■「誘致」決まれば再審議

 国内で最大3カ所とされるIRの申請は都道府県、または政令都市が行う。北海道は鈴木直道知事が年内に判断するが、その結果が「誘致」となった場合、道内では候補地とIR事業者を選定し、具体的な区域整備計画の検討がスタートすることになる。市議会臨時会の中では、誘致が決まればこの計画に基づいて施設や各対策の詳細など具体的な情報が提示できることから推進派の市議からは、市民の理解がさらに進むとの期待感も出ている。

 国への認定申請に当たっては、各都道府県などがIR事業者と作成する区域整備計画案に対し、法律に基づいて都道府県議会の議決と立地自治体の同意が必要。苫小牧市の岩倉博文市長はこの同意を市議会の議決で判断する方針だ。傍聴者の中には、今回の臨時会ですべてが決まると誤解していた人もいたが、岩倉市長は今回の決議に対し「位置付けが異なる」と強調。道の判断を踏まえ、改めて市議会で審議するとの立場だ。

 しかし、今回の苫小牧市議会の決議は大きな関心事で、道の決定を後押しすることになる。苫小牧市民にとってはIR誘致の行方は一つの将来方向が決まる重大な転換点だけに、継続的な情報収集と動向を注視する必要がある。

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