第71回苫小牧市民文化祭実行委員会は、文芸誌「苫小牧市民文芸」61号を発行した。随筆や童話などの長文型と詩や短歌などの短詩型の計105点を収録している。編集委員会はこのうち最高賞に当たる市民文芸賞に、木曜短歌会会員佐々木富子さん(67)=有珠の沢町=の短歌「柊の花」を選んでいる。
佐々木さんは2017年に奨励賞を受賞したが、本賞は初。「しらぬまに ふふふふふっとふりだして わわわわわっとつもるゆき」という受賞作は選考委員から「言葉の選択に妙味があり、音楽性に富んでいる」などと高く評価され、「賞の重みを感じる」と喜ぶ。「諸先輩から育ててもらったが、これからは補助輪なしで進んでいかなくては」と話した。
市民文芸奨励賞は、むかわ町生田のいずみ同人会会員で、同町郷土史研究会会長の土井重男さん(75)のノンフィクション「検証 大誠丸の遭難と殺傷事件」と苫小牧市柏木町の俳句結社「葦牙(あしかび)」所属の山口昭悦さん(83)の俳句「終章」が選ばれた。
太平洋戦争時、厚賀沖で沈没した輸送船「大誠丸」とその際に起きた将校による殺傷事件に焦点を当て、同船の操舵手の手記や証言などを掘り下げた土井さんは「自分が住む地域では大きな事件で関心が高いテーマだった」と受賞を喜んだ。
山口さんは16年に川柳で奨励賞を受けて以来2度目の受賞となるが、俳句では初めて。手のひらに受けた雪虫から命の鼓動を感じた「雪虫の鼓動を拾ふたなごころ」などの繊細な句を詠み、「人生の終盤にあって、じたばたしても仕方ないという思いを淡々とつづった」と言う。
同賞への応募数は59点(内長文型11点、短詩型48点)。選考は9月1日に第一洋食店で行われ、苫小牧高専准教授の片山ふゆきさんら3人が関わった。市民文芸賞の長文型部門の該当者はなかった。
市民文芸61号はA5判280ページと発刊以来最も厚く、税込み1000円。市内書店組合加盟店と市生涯学習課で扱う。
同文芸61号編集委員会事務局長の山上正一さん(73)は「投稿者は10代から90代まで幅広かったが、全体の7割強が70~80代。高校や高専、大学にも届け、投稿のきっかけになれば」と語る。
















