高齢ドライバーの事故多発 新たな対策検討  安全装置取り付けに助成 ─苫小牧市─

高齢ドライバーの事故多発 新たな対策検討  安全装置取り付けに助成 ─苫小牧市─

 高齢ドライバーによる交通事故多発が社会問題化する中、苫小牧市も新たな事故対策を検討している。車両に安全装置を取り付けた高齢者に、一定程度の補助を出すことを軸に事業を構築する方針。一方で、抜本的な対策として取り組む自治体も増えている運転免許証の自主返納を促す施策には消極的。市域が東西に長く、日常生活に車を必要とする市民が多い苫小牧特有の事情も背景にある。

 市が検討しているのは、高齢者がアクセルとブレーキを間違えて踏み込んだ際、急発進を防ぐ安全装置などの取り付け費用の補助。装置は新車はもちろん「後付け」にも対応が可能で、費用や内容などが幅広いとあって、市は対象となる装置や高齢者の年齢、自己負担の割合などの検討を重ねる。

 一方、運転免許の自主返納を促す施策の構築については、現時点で俎上(そじょう)に載せていない。

 近隣では千歳市が自主返納した75歳以上の市民を対象に、路線バスの乗車補助券や協賛店舗の割引サービスなど特典を用意。「抜本策」への交通安全運動関係者の期待は大きいが、苫小牧市として返納を推進する立場にないことを理由に挙げる。

 市は2017年から、免許の自主返納者に加盟店での買い物に使える地域通貨「とまチョップポイント」を付与しているが、市民生活部の片原雄司部長は「自主返納を促す取り組みではなく、あくまでも感謝の気持ちを込めた事業」と説明。路線バスの高齢者優待もあるが、自主返納推進に絞った施策ではなく、「返納は自身で判断してほしい」と呼び掛ける。

 背景には苫小牧の広大な行政面積、大都市に比べて劣る公共交通網などで、「車社会」を余儀なくされる実情がある。片原部長は「苫小牧は東西に長く、車は高齢になっても生活必需品。高齢者のライフスタイルを尊重すると、安全に車を運転できるよう考えることが大事」と強調。21年度に向けた「地域公共交通網形成計画」の策定作業などと並行しながら、事故対策を総合的に検討する。

関連記事

最新記事

ランキング

一覧を見る

紙面ビューワー

紙面ビューワー画面

レッドイーグルス

一覧を見る