小樽検疫所千歳空港検疫所支所は19日、新型インフルエンザを想定した「検疫感染症措置訓練」を新千歳空港国際線ターミナルビルで実施した。感染症の国内拡大を水際で防止するため、患者の処置や医療機関への搬送方法など対応手順を再確認した。
同検疫所が例年、インフルエンザの流行期を前に取り組んでいる訓練。千歳署や市消防本部、国土交通省新千歳空港事務所など関係20機関の視察も受け入れ、計約40人が出席した。
訓練は、海外旅行から帰国した邦人が旅先で新型インフルエンザに感染し、機内で発症したという想定。感染者への対応は検疫法に基づき国の指針に従って行われる。今年の訓練は8月に増築された国際線ビル内で患者搬送の経路を確認する目的も込めた。
訓練では航空会社から「新型インフル感染が疑われる乗客がいる」と連絡を受けた検疫所職員が機内で患者役に感染拡大防止装置を装着させた上、ビル内の健康相談室へ誘導した設定で開始。ウイルスが漏れ出さない周囲より気圧を低めた診察室で鼻と喉から検体を採取し、約10分で陽性反応を確認した。
陽性反応を受け、検疫所は患者役の隔離を決定。決定書を患者役に見せ、感染者の情報を指定搬送先の市立札幌病院に伝えた。同行していた配偶者役には同病院への入院、機内で周囲2メートル以内の座席にいた乗客役には10日間にわたる保健所への健康状態の報告を求めた。
患者役は車椅子ごと乗れる台車でビル出入り口まで移動。台車はウイルス拡散防止へビニールで密閉した。検疫所の搬送車両に乗車すると、実際に千歳署のパトカーが先導し、同病院へ出発した。
千歳保健所の森昭久所長は「患者発生時の流れを再現できていた。訓練を重ね、手順を間違えないことが大事」と講評。小樽検疫所の辻村信正所長は「来年は五輪で新千歳にも多くの外国人が訪れるので、繰り返し訓練したい」と語った。
















