石彫家・田村純也さん 新制作展スペースデザイン部門 新作家賞を獲得 存在感放つ石と木の力作

石彫家・田村純也さん 新制作展スペースデザイン部門 新作家賞を獲得 存在感放つ石と木の力作
新作家賞を受賞した作品と田村さん

 苫小牧市美園町の石彫家田村純也さん(41)が、第83回新制作展のスペースデザイン部門で最高賞の協会賞に次ぐ新作家賞を獲得した。札幌軟石と国産のスギを使用した力作は96本の柱が複雑な曲線を描き、圧倒的な存在感を放つ。3回目の出品で、田村さんは「選ばれると思っていなかったので、とてもうれしい」と喜ぶ。

 新制作展は、新制作協会(東京)主催の展覧会。絵画、彫刻、スペースデザインの3部門があり、会員による審査で、公募作品の中から特に優秀な作品に新作家賞が贈られる。

 第83回の応募総数は1009点で入選者数395人、受賞者27人。スペースデザイン部門の新作家賞受賞者は田村さんを含めて4人という。

 田村さんは1978年苫小牧生まれ。実家の石材店で働く父や兄の姿を見るなどし石が身近な環境で育った。96年、家業の石材店に就職し職人の道に進んだが2017年、不動産会社に転職した。

 転機は20代の時、足を運んだ札幌市内でのイサム・ノグチ展。大作「エナジー・ヴォイド」を見た瞬間、複雑な曲線や大きさに感銘を受けた。徐々に創作意欲が高まり、30代から活動を本格化。2010年に初個展を開催、14年には新道展の会員になった。

 新作家賞を受賞した作品のタイトルは「Siran―時ガ経ツ―」(幅130センチ、奥行き90センチ、高さ〈最大〉60センチ)。アイヌ語で時の経過を意味し、17年の12月から3カ月間かけて完成させた。素材の石は死の世界、木を生きている世界に見立てた。

 東日本大震災後、生と死をイメージした作品を作ることが多くなったという田村さん。「何もないところから何かが作られる。動き始める、何かが進化するようなイメージで制作した」と語る。

 年2、3作品を制作。新制作展への出品は今後も続け、「(同展の)会員になることが夢。大きな作品も手掛けたい」と意気込む。

 受賞作品は、苫小牧信用金庫本店(表町)で12月13日まで展示されている。午前8時45分~午後7時(土日祝日は午前9時~午後6時)。

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