IR 結論出せず 混迷する道議会自民 時間切れで誘致断念も

IR 結論出せず 混迷する道議会自民 時間切れで誘致断念も
全体会議終了後、記者団の取材に応じるIR検討調査会の遠藤会長(右)と田中幹事長=26日午後、道議会庁舎

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の本道誘致を議論する道議会の最大会派、自民党・道民会議の全議員で構成するIR検討調査会(遠藤連会長、53人)は26日、道議会庁舎で25日に続き全体会議を開いたが、賛否両論が渦巻き、またも結論を持ち越した。次回の開催日程は未定。これにより鈴木直道知事が第4回定例道議会会期中(26~12月12日)に誘致を表明する可能性は極めて薄くなった。道民世論を二分するIR問題は、与党内の意思統一が図れず、時間切れで事実上、断念に追い込まれる可能性が高まっている。

 全体会議は非公開で約2時間にわたり議論。理事者側から土屋俊亮副知事も出席した。

 終了後、遠藤会長と田中芳憲幹事長が記者団の取材に応じた。土屋副知事からは(1)誘致する場合、認可申請期限(2021年1~7月)へ向けたスケジュールが非常にタイトだが、何とかクリアしたい(2)インフラ整備は事業者に負担を求めたい(3)候補地の苫小牧市植苗地区の自然環境問題で、希少動植物の存在が全体(約900ヘクタール)のうちのどの程度なのか。適地はどこなのかを事業者と検討したい―と大きく三つの課題が指摘され、「こうした課題や懸念を解決しながら進めている状況」と説明があったという。

 議員側から「北海道の観光政策の柱として進めていくべき」など推進を求める意見も出たが、▽自然環境保全▽地域経済への貢献度▽IRの採算性や事業継続性▽財政負担―などを中心に疑念の声が相次いだ。さらに25日の全体会議に出席した観光振興監、観光局長に比べ「副知事の方が(誘致に)前のめりではないか」とけん制する声も上がったという。遠藤会長は「最終的にいまだIRの内容について疑問の点、理解できない点も残り、私どもの会派の意見がそういう方向にあることを、副知事から知事に伝えてもらうことできょうは閉会した」と説明。田中幹事長は「懸念を発言した議員の中でも、知事の判断を受け入れる、待ちたいという意見もあった」と述べた。

 会派内では当初、29日の一般質問で知事に誘致表明を求める案もあったが、「今まで以上に新たな答弁を求めることになるのかどうか」(遠藤会長)と現段階では難しいことを示唆した。

 鈴木知事は25日、会派の意向確認に対して「IRのプロセスのリスクを考えた時に、どうしても議会との協力なしでは、前に進んでいけない。議会の動向などを注視しながら判断したい」と伝えている。最大与党と知事の間で、ここにきても「主体性」という球の投げ合いが続く。IRを誘致する場合は、関連予算を補正で計上するため、今定例会がタイムリミットとされる。一般質問で知事が従来答弁に終始した場合、最後に残されるのが12月10日の予算特別委員会での総括質疑。ここで知事が誘致表明して、会期を延長して補正予算案を可決する案もあるが、現実的には厳しいのが現状。与党会派が一枚岩になるのはほぼ絶望的な情勢で、IR誘致の機運は道議会で急速にしぼんでいる。

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