胆振総合振興局が訪日外国人旅行者(インバウンド)の誘客に力を入れている。今月25日にはシンガポールから旅行会社の社員を招待し、胆振、後志、石狩管内の観光地などを巡るツアーを開催。インバウンド対応の観光ルート創出に向け、意見交換を行った。ツアー見学に対応した苫小牧の観光関係者からは、滞在期間を増やすため宿泊や食などの魅力発信の強化を求める声が上がった。
同振興局がこの取り組みを始めたのは2017年度から。北海道観光振興機構(札幌市)から選定され、海外向け旅行商品企画の立案やプロモーションを進めている。19年度は10月と11月に海外の旅行関係者を招いたツアーを実施。さまざまな観光素材を販売促進につなげるための検証を行っている。
胆振管内の訪日外国人宿泊客延べ数は近年増加しており、08年度の42万5600人が、18年度には100万7000人と大幅に増加。特に台湾や中国、韓国など東アジアからの来道が多いという。
今回のツアーは25日から5日間のスケジュールで行われ、登別温泉や小樽市、厚真町などを周遊。参加したシンガポールの旅行会社従業員、クリスティーナ・タンさん(42)は、初日に苫小牧の道の駅ウトナイ湖と白老町の体験施設「体験コロポックル」を訪問した。タンさんが勤務する会社では九州の方が人気が高く、北海道は夏のラベンダーと冬の雪が好まれるが、春と秋の需要は低いといい、閑散期対策の必要性を挙げた。
苫小牧の宿泊客延べ数を見ると、18年度は3万5780人。ピークの8月は4603人だったが、3月は2485人で稼働率の差は顕著。日帰り客の多い通過型観光が大きな課題になっている。
苫小牧の観光スポットの一つ、道の駅ウトナイ湖の西村宏基駅長は「来館者の約8割は台湾。温泉ホテルがないため、地域の食で引きつけるなどみんなで魅力を高めていく必要がある」と訴える。また、苫小牧観光協会の藤岡照宏専務は「市内滞在が長くなればさらなる経済効果が期待できる」と語った。
同振興局商工労働観光課は「今回得られた情報を管内の11市町で共有したい」としており、来年4月に白老町でオープンする民族共生象徴空間(ウポポイ)が東胆振地域の観光誘客の追い風になる可能性が高いとして期待を寄せている。
















