カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の本道誘致の是非を検討してきた鈴木直道知事は29日の定例道議会本会議で、「今回の区域認定申請は見送ることにした」と正式に表明した。最大与党の自民党・道民会議(53人)内で賛否両論が渦巻き意思統一が図られていない点や、優先候補地・苫小牧市植苗地区で猛禽(もうきん)類などの希少動植物の存在が明らかになり、環境影響調査(アセスメント)に最低2年かかり、誘致を目指す自治体の区域認定申請期限(2021年1~7月)に間に合わないことを重視した。内田尊之氏(自民党・道民会議)の一般質問に答えた。
一般質問を前に、鈴木知事は28日深夜まで、自民会派幹部とぎりぎりの調整を続けた上で政治決断した。
知事は本会議で「IRは本道全域の経済社会に大きなインパクトをもたらすプロジェクトであり、熟慮に熟慮を重ね、私としては誘致に挑戦したいと思った」としながらも、「貴重な動植物が生息する可能性が高く、今回の区域認定までの限られた期間で環境への適切な配慮を行うことは不可能と判断した」と説明。ただ、「来るべき時には、挑戦できるよう所要の準備はしっかりと進めていく」と述べ、IR整備法で7年後に設置箇所数を再検討するとしている次の誘致レースに挑戦する姿勢を示した。
IRは4期16年続いた高橋はるみ前知事が苫小牧市を優先候補地とし、「誘致は重要」と踏み込みながらも結論を先送りして今春に退任。判断は新知事に委ねられていた難題。鈴木氏は自民、公明、新党大地の推薦を受けて4月の知事選で初当選。公約では「経済効果などのプラス面、社会的影響などのマイナス面を総合的に勘案し、道がまとめた『基本的な考え方』をベースに、『道民目線』を大切にして早期に判断する」としていた。
就任から7カ月を経て21日の道議会決算特別委員会では「道民へのアンケート結果や地元(苫小牧市)、経済界の意向、道議会の議論」などを判断材料にすることも強調していた。だが、土壇場に来て与党会派が一枚岩になっていないことや、自然環境への疑念が払拭(ふっしょく)できないことから、事実上、誘致断念に追い込まれた。
IRをめぐっては、知事が推薦を受けた自民党道連が統一地方選の公約で「IR実現」を掲げていたほか、支持団体の道経連や道商連など道内経済8団体が誘致推進を求めていたが、これとは逆の政治判断を下した。
















