リゾート計画 森会長に聞く、動植物の邪魔にならない開発を

リゾート計画 森会長に聞く、動植物の邪魔にならない開発を

 不動産開発大手・森トラスト(東京)の森章会長(83)が28日、苫小牧民報のインタビューで自身がオーナーを務める投資会社MAプラットフォーム(同)が進める苫小牧市植苗地区への高級リゾート計画について思いを語った。

 ―開発計画のきっかけを聞きたい。

 「(苫小牧の関係者から)森林を保全してほしいと頼まれたのが始まり。森林の維持管理は大変で(そこに使うお金を)稼がないと守れない。自社所有の1000ヘクタールの土地のうち使うのは4%。ホテルやサービス付きコンドミニアム(分譲別荘)などの複合開発で、収益の一部を森林整備に役立てる。人も動植物も両方存在できることが大事だ」

 ―第1弾のホテル整備計画では運営をシンガポール企業のジャヤソムに任せるが。

 「主に外国人富裕層に来てほしい。これからは価値があるものが売れる時代。世界的に価値あるものを誘致し、日本のホテル産業の向上にもつなげたい。(高級ホテル運営の実績がある)ジャヤソムの美容と健康は『自然との共生』のテーマにも合っている」

 ―苫小牧・植苗地区の魅力を聞きたい。

 「建物は50メートル前後に高層化させる計画。平坦な森林が広がる場所で景観は素晴らしいと思う。ただ、自然は(人間が)手を入れないと逆に危ない。動植物にとって人間の方が邪魔にならない開発を目指したい。(近接する)新千歳空港の国際線も増えており、北海道の玄関口、ハブ(中継点)としても期待している」

 ―地域との関わりをどう感じているか。

 「地元とは結婚しているような気持ち。ホテルは地域への経済効果も大きい。宿泊者がいて仕入れも地元調達になる。従業員を雇うので、社宅も必要になる。別荘にはホテルサービスを付け、購入後に放置されるリスクにも配慮する。固定資産税も入る。地元にとってプラス要素が多いはずだ」

 ―カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の候補予定地と隣接している。

 「われわれが事業を決めた時にIRの話はなかった。IRに限らず(自社施設以外でも)いろんな施設が集積した方が付加価値も高まる」

 ―道がIR誘致を見送った場合の影響は。

 「(市民などの)拒絶反応が強い場所となれば、民意に合わせてもっとじっくりやる必要がある。われわれも自然を守るためにやっている。(地元に)理解してもらうためには(当初の計画期間の)10年ではなく、20年はかかることになるだろう」

 ―今後の展望を聞きたい。

 「(当初の10年4期計画のうち)まず1期目をやって、イメージ通りにうまくいくかを見極める。時代も変わっていくので一度でものを考えない方がいい」

京都府出身、慶応大経済学部卒業。森ビルの常務取締役などを歴任し、1993年1月に森トラスト社長に就任した。2016年6月から現職。

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