苫小牧出身で卓球男子の丹羽孝希(スヴェンソン)が、来年の東京五輪のシングルス代表を確実にした。中国で開かれている卓球グランドファイナルで水谷隼(木下グループ)が1回戦で敗れたため、世界ランキングで水谷より上位の丹羽が代表を物にした。丹羽自身はこれが3度目の五輪となり、前回2016年のリオ五輪では団体で日本男子初の銀メダルを獲得した。東京ではシングルスでも表彰台を目指す。
代表の選考基準について、日本協会は世界ランキングの日本選手上位2人を代表とする方針。グランドファイナルはランキングに反映される最後の大会で、張本智和(同)に次いで丹羽が2番手となることが確定した。自身はグランドファイナルには出場していない。
丹羽は、苫小牧緑小を卒業後、青森山田中に進学。14歳で世界卓球に出場するなど天才的な技術で男子卓球界をけん引。五輪はロンドン、リオの各大会に連続出場しており、シングルスではリオで8強に入っている。
卓球の丹羽孝希が来年の東京五輪の日本代表入りを確実にしたことで、苫小牧市内の競技関係者らに喜びが広がった。メダル獲得へエールを送っている。
丹羽が卓球を始めた小学1年生の頃に指導した苫小牧ジュニアの泊谷次郎代表は、3度目の五輪出場に加え東京大会という特別な舞台に「本当にすごいこと。苫小牧の誇りです」と喜びを語った。
泊谷代表はほぼ毎年、全日本選手権を観戦しており、丹羽のプレーを「パワーの足りない部分を技術で補っている」と進化を続ける技術力を評価。丹羽の後輩となる苫小牧ジュニアの葛西美央(ウトナイ小6年)は「どんな球でも同じ姿勢で打ち返すところがすごい」と憧れ、テレビなどで観戦する丹羽のプレーに感心した。
丹羽の親戚で北海道菊卓会に所属する近田大翔(大成小6年)は年に1回は会うという。「いつも遊んでくれる優しい兄のような存在」と言い、試合では見せない丹羽の一面を語る。ラケットを利き手の左から右に持ち替えて打つなどトリッキーなプレーも見せるとし、「器用さを生かして五輪でも勝ち上がってほしい」と話した。
北海道菊卓会の菊池吉幸代表は、同会の練習に参加した小学4年当時の丹羽が中学生相手に試合し、勝利したことを挙げ、「ただものではないと感じた」と天才の片りんを口にする。サウスポーで右側に来た球でも回り込んでフォアハンドで打ち返す機動力、打った後に相手が打つ球の軌道を予測する能力に優れていると感心。「まれに見る実力者。シングルスでも五輪のメダルを目指して」と背中を押した。




















