昨今、あまり見かけなくなった商売の一つに古本屋が挙げられるだろう。全国チェーンの大型古本屋いわゆる新古書店のことではない。昔ながらの個人経営で頑固そうな店主が奥のカウンターに座っていた、あの懐かしい店のことだ。
記者は、子どもの頃からの本好き。趣味の釣り本、写真の技術書、写真集、歴史小説、哲学書などを古本で安価大量に購入してきた。希少本を探して、札幌、江別、釧路、根室、帯広、稚内など全道各地にある古本屋を訪ねて回ったこともある。店によって得意分野が異なり社会思想の書がやけに充実している店、自然科学の本がずらりと並ぶ店、芸術分野が専門の店など個性があった。店主の趣味趣向が反映されているのだろう。
そんなユニークな古本屋がたくさんあったのだが、全国チェーンの出店の影響か近年、昔ながらの店の閉店が相次いだ。久しぶりに、なじみの店を訪ねると年配の男性店主が「みんな店を畳んでしまった。さみしい限りだ」と語り、ため息をついた。古本屋は文化の源。ここで出合った本から得た知識は多い。住み家の古本屋がすべてなくなってしまったら、本の虫は一体どうすればいいのだろうか。(澁)















