白老 報道機関対象に説明会、ウポポイ主要施設の内部を初公開

アイヌの歴史や文化、生活についての資料を並べる国立アイヌ民族博物館2階の特別展示室=19日午前

 北海道開発局は19日、白老町で整備中の民族共生象徴空間(ウポポイ)で報道機関を対象に現地説明会を開き、国立アイヌ民族博物館など一部施設の内部を初公開した。アイヌ民族の歴史や文化を多角的に伝える施設群はほぼ完成し、来年4月24日の開業に向けて内装や外構の工事が急ピッチで進められている。

 アイヌ文化復興拠点のウポポイは、国がポロト湖畔の10ヘクタールに200億円を投じ、2017年から整備。中核施設の国立アイヌ民族博物館、伝統芸能を上演する「体験交流ホール」、伝統工芸の製作プログラムを提供する「工房」、修学旅行生らにアイヌ語や食文化を体験してもらう「体験学習館」、伝統的生活空間が体感できるチセ(家屋)、飲食・物販機能を備えた「エントランス棟」を建設した。

 報道機関が集まった現地説明会で内閣官房アイヌ総合政策室や道開発局、文化庁、公益財団法人アイヌ民族文化財団の担当者は、各施設の整備、体験プログラム準備の状況を説明。国立アイヌ民族博物館(鉄骨造り3階建て、延べ床面積8600平方メートル)では、「言葉」「歴史」「暮らし」「仕事」「信仰」「交流」の6テーマで700点以上の資料を並べる展示室、映像で伝統文化を紹介するシアター室など施設内を初めて公開した。展示室では江戸時代にアイヌ民族が使用した外洋船イタオマチプの貴重な部材も紹介するとした。

 体験交流ホール(鉄骨造り2階建て、延べ床面積1667平方メートル)では約540人収容でき、半円形のステージで古式舞踊や楽器演奏など伝統芸能を上演するホールを公開。担当者は、ステージ奥にポロト湖やチセを望む借景窓(高さ5メートル、横9メートル)も備えたホールの特徴を報道陣に説明し、プロジェクションマッピングなど最新技術活用の映像演出も行うとした。

 各施設では「生業・生活」「芸能」「食」「手仕事」「儀礼」をテーマにアイヌ民族の文化や世界観、自然観などを「五感」で体験してもらう多彩なプログラムを提供するとした。ウポポイを管理運営するアイヌ民族文化財団は今後、完成した施設で順次、公演や体験プログラム、博物館資料展示などの準備作業に入る。

 ウポポイは国立アイヌ民族博物館と、体験・公演施設を配置した国立民族共生公園、全国の大学などに保管されていたアイヌ民族の遺骨を受け入れる慰霊施設で構成。ポロト湖東側の高台にある慰霊施設は8月に完成し、全国12大学が研究目的で収集、保管していた遺骨が今月13日までに施設へ移送された。

 また、年間来場者100万人の目標達成を目指し、国交省は今年度補正予算案に集客対策費約38億円を計上。夜間プログラムのプロジェクションマッピング制作費や、インターネット活用のPR費用などに充てる。

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