都大路を駆ける十勇姿〔道栄高駅伝部〕(5)―けが乗り越え成長

小野隆一朗

 ■小野隆一朗(3年)=白糠中卒

 誰もが認める道栄の絶対的エース。11月30日の道外記録会10000メートルでは、「狙っていた」と道高校記録を30秒以上も更新する29分16秒36という驚異的なタイムをたたき出した。

 4月末の大沼湖畔駅伝時に右足の腓骨(ひこつ)に激痛が走り、疲労骨折が判明。一つの目標にしてきた夏の全国高校総合体育大会出場こそ逃したが、「すぐに(駅伝に)切り替えた」とけがが癒えるとぐんぐん力を付けた。

 青山学院大の田辺浩司(4年)、国学院大の藤本竜(1年)といった歴代エースと同じ花の1区10キロでの出走が濃厚。「いい流れをつくるのが第一。流れを呼び込んで、後続の仲間を1秒でも楽にさせたい」と意気込む。

 ■工藤吏晟(3年)=札幌あいの里東中卒

 度重なるけがに泣いてきた男が、復調の兆しを見せている。トラック5000メートルの持ちタイムは小野に引けを取らない14分36秒79。「感覚は良くなっている。あとは(本番に向け)体調管理に気を付けるだけ」と頼もしい。

 けがを押して出場した夏のインターハイ後も故障が続き、10月の全道大会では出走を見送る可能性もあった。2年連続で主要区間を担ってきた身。なんとか短距離区間の2区(3キロ)を任されはしたが、チームは2連覇を逃した。「自分が万全だったら」。悔しさが残った。

 前回都大路では主要区間の4区(8・0875キロ)を走り13位と好走を見せた。今年も4区は「譲るわけにはいかない」。集大成のレースで再び輝いて見せる。

        (おわり)

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