日本陸上競技選手権リレー競技大会(10月、北九州市)男子4×100メートルリレーを制した中央大メンバーの一人で北海道栄高陸上部出身の天城陽太(2年)が26日、白老町にある母校へ凱旋(がいせん)し、大きな金メダルを手に喜びを語った。同じく道栄高出身で憧れの先輩・室谷翔太郎主将(4年)と共につかんだ快挙。「とても自信になった。室谷さんと一緒に優勝できたことが一番うれしかった」と笑顔を見せた。
リレー種目の日本一を決める日本陸上競技連盟主催の大舞台。各種目資格記録(持ちタイム)上位の27チームのみが参加することができる。男子4×100メートルリレーは3組の予選と、各組2位までとタイム上位2チームの計8チームが進出する決勝を展開した。
9月の日本学生選手権(インターカレッジ)で3位だった中大は、今年の日本選手権数日前に主力の3年生1人が肉離れで離脱。さらにエースの染谷佳大(3年)もけがで出場を見送る緊急事態に陥っていた。その穴を埋めたのが、補欠でメンバー入りしていた天城と室谷。「正直、決勝レースに残れたらいいかな程度だった」と天城が言うように、バトン合わせすらできず、不安を抱えたままレースに突入した。
ただ、室谷は高校時代にU18日本選手権男子4×100メートルリレー優勝、インターハイ同種目4位経験者。天城もU18日本選手権3位入賞を知るリレーの名手だ。予選でバトントスが詰まりながら39秒64の上々のタイムを出すと、続く決勝では39秒10とさらに記録を伸ばし頂点に立った。「まさか優勝できるとは思わなかった」と天城は目を丸くして振り返る。
「よく頑張ってくれた。卒業生が2人も日本一メンバーに入るなんて初めて。とてもうれしい」と道栄の堀下航監督は功績をたたえる。松本俊大主将(2年)は「卒業してからも素晴らしい結果を残していて尊敬する。自分たちも来年のインターハイで結果を残せるようにしたい」と偉大な先輩たちの頑張りに感化された様子だ。
室谷は来春卒業し社会人となるが、天城はあと2年中大に在籍する。「優勝して世界が変わった。今のところ冬期間の練習はよく積めている。うまく来季につなげて、100メートルでは10秒3台を出したい」と意気込む。後輩たちには「高め合いながらインターハイ優勝を目指してほしい」と期待を込めた。

















