JR日高線鵡川―様似間(116キロ)が高波被害で不通となって来年1月7日で丸5年を迎える。沿線7自治体の町長は繰り返し協議を重ね、今年11月に多数決でJR北海道とバス転換を前提とした個別協議を行う方針を決めた。JR北との協議は年明けにも本格化するが、さまざまな課題があり、持続可能な公共交通網の構築に向けた議論は長期化が避けられない情勢だ。
同線区は日高線(146・5キロ)の8割を占め、現在は代行バスが運行している。沿線自治体7町(日高、平取、新冠、新ひだか、浦河、様似、えりも)は当初、国や道、JR北に復旧を求めてきたが、2016年8月の台風で被害が拡大。多額の復旧費用が必要として、JR北が同年12月に線区の廃止・バス転換を表明した。
7町は新たな代替交通を検討したが、費用などに課題があり、(1)全線復旧(2)一部路線復旧とバス転換の併用(3)全線バス転換―のうち1案を絞りこんだ。11月の会合で賛成6、反対1という結果でバス転換を選択。各町は来年3月をめどにJR北との合意を目指す。
沿線の地域住民にとって日常生活における5年は長く、諦めムードも広がりつつある。
日高の公共交通を考える有志の会(新ひだか町)の高橋幸二代表は「もう一部の人しか関心がない。これまでの協議は無駄な時間だった」とし、「人口は減っている。交通弱者の声を聞き、早期に持続可能な交通体系を作るべきだ」としている。
鉄路の存続を訴えるJR日高線を守る会(同町)の村井直美代表幹事はバス転換の場合、ドライバー不足が課題として残ると指摘。鉄道復旧の方針は変えず「国は地方だから―という理由で諦めてほしくない。国民の最低限の移動手段に責任を持ってほしい」と求めた。
JR北との個別協議は今後始まるが、その項目は多岐にわたり、各町の議会対応などもあるため、来年3月の合意は非常に厳しい状況だ。
7町で唯一、鉄路復旧を訴える浦河町の池田拓町長は、バス転換に対してドライバー不足や収支見通しへの懸念を示し「乗らないと存廃の議論になる」と訴える。
日高町村会の会長を務める様似町の坂下一幸町長は「現時点の持続可能な公共交通はバスが現実的」と強調する。来年2月には7町長が集まり、それぞれの進捗(しんちょく)状況を確認する予定だが「来年3月のJR北との合意は努力目標で、新年度に合意する可能性もある。代行バスで不便な点を見直し、便利なバスを走らせたい」と話している。
















