年末インタビュー・宮本知治苫小牧商工会議所会頭に聞く  苫中央IC来年開設で物流強化に期待、駅前再開発「大胆な発想を」

年末インタビュー・宮本知治苫小牧商工会議所会頭に聞く  苫中央IC来年開設で物流強化に期待、駅前再開発「大胆な発想を」
地元の企業動向などを見据えて2020年への期待と展望を語る宮本会頭

 2019年の苫小牧は、IR(カジノを含む統合型リゾート施設)の誘致の是非で揺れ、鈴木直道知事は国への区域認定申請を見送った。旧エガオを中心とするJR苫小牧駅周辺の再開発もこう着状態が続く。11月の役員改選で3期目を迎えた苫小牧商工会議所の宮本知治会頭に1年を振り返ってもらい、20年の展望を聞いた。

 ―活動を推進していたIRの誘致が見送られた。

 11月29日の鈴木知事の決断は大変驚いた。非常に残念であり、鈴木知事の真意は今も分からない。今回の申請を見送ると次の申請は7年後と言われているが、それまでに苫小牧でのIR運営を望んでいた民間事業者の意欲がそがれてしまう可能性は高い。大きなチャンスを逃してしまった感は否めないだろう。

 人口減少社会の中で、IRに代わる北海道の経済活性化策はない。鈴木知事が「今後はぜひ挑戦したい」と表明している以上、旗を降ろすつもりはなく決して諦めない。苫小牧市と共に誘致活動を継続していく。

 ―将来を見据えた駅前再開発はどうあるべきか。

 苫小牧の玄関口と言える駅前の風景は寂しく、人通りも少ない。ネックとなっている旧エガオは一刻も早い解体と整備が望まれる。一部の地権者が土地の無償譲渡に応じず、今年はそれに関連する民事訴訟に発展した。その地権者も今の駅前の状況を良くは思っていないと聞く。早期の和解に期待したい。

 駅直結の苫小牧エスタやバスターミナルを含め、総合的な再開発が求められる。旧エガオと同じような商業施設を作ってもまた失敗する。人の流れを大きく変える施設の誘致はどうだろう。例えば市役所が駅前に移転すれば、いやが応でも人々は駅前に集う。それくらい大胆な発想があっても良い。

 ―20年の苫小牧経済界の動向は。

 日本製紙勇払事業所の洋紙生産が年明けの1月末で停止するのは非常に残念だ。しかし、国内最大規模のバイオマス発電という新規事業に期待している。王子製紙苫小牧工場は段ボール原紙の生産を21年度から始めるため、150億円掛けて抄紙機を改造。さらに抄紙機をもう1台増やし、従業員も増やすのは明るい話題だ。

 出光興産北海道製油所は全ての設備を一斉停止する4年に1度の大規模SDM(定期補修工事)を夏に行う。作業員は過去最大規模の延べ13万人を見込むため、小売業、宿泊業、タクシー業など市内のさまざまな企業に経済効果が広がるだろう。トヨタ自動車北海道とアイシン北海道はそれぞれ今年から生産を始めた新製品が軌道に乗り、一層の事業拡大が進む。

 苫小牧港・東港の国際コンテナターミナルの近接地で道内最大級の大型冷凍冷蔵倉庫が来春完成することも、非常に大きな話題だ。道産農水産物を集約し、苫小牧港を高度な物流機能と食品加工機能を備えた新たな国際物流拠点として整備が進むことに期待したい。

 ―悲願の道央自動車道苫小牧中央インターチェンジ(IC、仮称)が20年度に開設される。

 商議所として誘致活動してきた苫小牧中央ICがもうすぐ完成する。11月末に開通した国道276号緑跨(こ)線橋とつながり、市内中心部や苫小牧港との交通アクセスが大幅に向上する。人や物の流れが劇的に変わるだろう。各企業の物流機能強化や新しい企業の誘致に拍車が掛かればうれしい。

 将来にわたってまちが発展していくためには、経済活動によってお金を生み出していかなければならず、そのためのインフラとしてICや道路が整備されている。市と経済界がワンチームとなり、人々を呼び込む魅力あるまちづくりが求められてくる。その上で各企業は社員のモチベーションを高め、生産性をアップさせるための働き方改革が喫緊の課題となるだろう。

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