2019年に苫小牧署が認知した管内(東胆振1市4町)の刑法犯の件数は過去10年で最少となる見通しだ。ただ、空き巣などの侵入窃盗が急増しており、放火などの凶悪犯罪は9件発生。入管難民法違反での逮捕者も相次ぐなど、市民を不安にさせる事件が少なくなかった。
19年の同署管内の刑法犯認知件数は11月末時点で、1085件。この10年で最少だった前年の同時期よりも89件少ないが侵入窃盗については、同40件増の127件に上る。
3月にはむかわ町内のスーパーで現金649万円と119万円相当の商品券が入った金庫、苫小牧市内の民家で現金261万円が盗まれる侵入窃盗事件が立て続けに発生。同町では4月にも胆振東部地震で被災した自営業者のために町が建設した仮設店舗の裏口の扉が壊され、店内から現金を盗られる事件があった。
車上狙いも同8件増の115件と、道内の警察署別で最多だった。
強盗、放火などの凶悪犯罪は同3件増の9件で、2年連続の増加。5月には苫小牧市木場町で同市の60代のタクシー運転手男性が料金を踏み倒そうとした男に、暴行される事件があり、住民に衝撃を与えた。男性運転手は路上で意識を失って倒れた状態で見つかり、その後死亡が確認された。死因は心疾患による病死で、同署は市内の新聞販売店元従業員の50代男を逮捕し、暴行罪で略式起訴した。
同月は同市日吉町のアパートで、敷地内にあった新聞紙に火を付け草地の一部を燃やしたとして、放火の疑いで同アパートに住む60代の無職女が逮捕された。女は「火を付けた」と容疑を認めた。敷地内では3月から4月にかけてごみ置き場、車などが燃える不審火が5件発生している。
その後も5月に市内大成町の空き家やビル屋外の木材などが燃え、10月と12月には泉町のアパートで1階部分の車庫から火が出る不審火があった。同署は捜査を継続し、付近のパトロールを強化している。
入管難民法違反事件も続発。2月、市内在住のベトナム国籍の男7人が不法残留の疑いで現行犯逮捕された。7人は技能実習生として入国し、在留期間の更新や在留資格の変更をしないまま、作業員として同市近郊などで不法に働いていた。7人は3月に偽造在留カード所持などの疑いで再逮捕されている。
11月には、別のベトナム人留学生2人を不法就労させたとして、同市柏原の産業廃棄物処理業代表の50代男性ら5人が不法就労助長の疑いで逮捕された。留学生2人は同社と旭川市内の2カ所で、資格外活動として認められている週28時間の就労時間を超えて働いていた。
このほか、同署管内では自転車盗も152件(前年同期比31件減)と多発。被害者の過半数を中高生が占めており、9月に苫小牧市内の全中学、高校に啓発チラシを配布。施錠方法が異なる2種類の鍵を掛ける「ツーロック」の実践を促した。
同署の武部宏樹生活安全課長は「今年は犯罪件数こそ減少したが、凶悪犯は増えた。検挙率の向上、犯罪抑止に向けた積極的な啓発活動に力を入れていきたい」と話している。
















