2019年に苫小牧署管内(東胆振1市4町)で起きた死亡交通事故(30日現在)は前年同期比4件増の10件に上り、全道の警察署別でワーストを記録している。飲酒運転の検挙件数も11月末時点で50件と、こちらも道内最多。悲惨な輪禍に歯止めを掛けるには、ドライバーらのモラル向上も欠かせない。
同署管内での人身事故発生件数は30日現在、前年同期比34件減の441件。傷者数も同32人減の507人と、共に2年連続で減っている。
事故原因は前方不注視、安全不確認など「運転上のミス」が約5割で、一時不停止や操作不適なども目立った。より過失が重い第1当事者を年代別に見ると、65歳以上の高齢者が4分の1を占めた一方、16~24歳の若年者は1割強にとどまった。
死亡事故の自治体別内訳は苫小牧市が8件、安平町と白老町が各1件。形態は人対車両が4件、自転車対車両が1件、車対車が4件、車両単独が1件だった。人対車両が前年に比べ3件増えている。
人・自転車対車両の事故では、75歳以上の高齢者が相次ぎ犠牲となった。3月に苫小牧市東開町の市道を横断していた女性(75)、8月には白老町の町道を自転車で渡っていた男性(89)と同市船見町の市道上でごみ拾いをしていた女性(80)、10月にも同市元町の国道を歩いて横断中の女性(82)がそれぞれ乗用車にはねられて亡くなった。
同署の梶貴晶交通1課長は「速度、距離感覚がつかみにくくなっているのも高齢者が事故に遭う一因」と指摘。「管内は直線道路が多く、スピードを出しやすいため大きな事故に発展しやすい」と話す。
一方、重大事故に直結する飲酒運転の検挙件数は、11月末時点で前年同期と同数の50件に達している。同署によると、場所は苫小牧市中心部の繁華街が多く運転代行業者の営業が終了し、客待ちのタクシーも減る午前4~6時ごろに集中しているという。検問やパトロールを強化しているが、週末を中心に検挙者は後を絶たない。
同署は7月、管内初の試みとして、苫小牧市錦町の飲食店ビル「志のぶ会館」を飲酒運転根絶モデルビルに指定。テナントにポスター掲示や客への啓発グッズ配布を促し「飲んだら乗るな」の機運を高めている。
高齢ドライバーによる事故が社会問題化しているのを受け、同署は道や市、自動車学校をはじめとする民間企業と連携した安全講習会も積極的に展開した。梶課長は「交通事故は歩行者、ドライバー双方が安全意識を高めることで減らせる」と強調。「事故の発生状況を踏まえた啓発、取り締まりを一層強化していきたい」としている。
















