学校現場での教職員の働き方改革の一環で、苫小牧市内の一部道立高校が原則として、勤務時間外の電話応対を控える取り組みを始めた。放課後などに保護者らから寄せられる問い合わせには、留守番電話で対応。電話応対に伴う業務負担を軽減することで、長時間労働の是正を促す。2022年度中には、苫小牧市教育委員会も市内の全小中学校で同様の取り組みを始める方針だ。
道教育委員会が16年度に実施した調査では勤務時間が週60時間を超える教員が小学校で2割、中学校で4割、高校で3割に達し教頭職では小中学校で7割、高校で6割を占めた。週60時間超の勤務は残業時間が月80時間を超える過労死ラインに相当する。
状況を重く受け止めた道教委は長時間労働是正の方策を盛り込んだ、北海道アクション・プランを策定。市内では苫小牧総合経済高校、苫小牧南高校、苫小牧西高校の3校が昨年12月までに、勤務時間外は留守番電話に切り替え、音声ガイダンスなどで自動対応する試みをスタートさせた。
留守番電話に切り替わる時刻は学校によって異なるが、おおむね午後4時半~午後5時。始業時間の午前8時よりも早い時間帯や土日や祝日などの休業日についても、留守番電話対応としている。
3校は道教委が作成したリーフレットを保護者に配布。連絡、問い合わせはなるべく勤務時間内に行うよう求めている。
勤務時間外における欠席の連絡など、急を要さない案件は電子メールで対応。生徒の安全に関わる重大な事態が発生した場合は警察、消防に通報、いじめや子育てなどの相談に関しては各専門機関の電話相談を活用するよう促す。
昨年12月2日から導入する苫小牧西高は「電話連絡できなくなったことで混乱が生じたり、苦情が寄せられるといった事態は起きていない」とする。
一方、苫小牧東高と苫小牧工業高は夜間の定時制課程があり、校内で同一の時間に一斉に留守番電話に切り替えるのは難しく、「より良い方法を検討中」と言う。
全道の学校現場に同様の動きが広がっている。千歳市では昨年8月、市内の小中各1校をモデル校に午後6時ごろから同7時半まで留守番電話に切り替えた結果、一定の労働時間の削減効果が見られたため、昨年11月からは同市内の全小中学校26校で一斉導入した。
苫小牧市教委も市内の小中学校に留守番電話を配備。22年度中に運用を開始する方針だ。
導入に先立ち、市教委は今月発行した保護者向けの家庭教育情報誌「ほ・む・す・く1月号」の中で、電話での問い合わせ、連絡は午前7時50分~午後5時の勤務時間内に行うよう、保護者に理解、協力を求めた。
瀬能仁教育部長は「教育の質を高めるには、教職員が生き生きと働ける環境が重要」と強調。「電話応対以外にも、どのような働き方改革が効果的か検討したい」と語った。
















